『iQOS』を吸い始めて3ヶ月の感想など

 フィリップモリスが2015年9月より東京でも発売している加熱式たばこ『iQOS』。たまたま『ガジェット通信』で取材を担当している関係上、私Parsleyも12月ごろから吸うようになっている。「いいなー」と思ったきっかけは、屋内の空気をほとんど汚さないという研究結果の発表を聞いた時で、基本的に自室ではたばこを吸わないようにしていたので、「これならばアリかな」と感じたことだった。

 ※参考 ほとんど空気を汚さない!? フィリップ モリス加熱式たばこ『iQOS』の試験結果発表

 それで、3ヶ月ほど吸ってみて、だいたい2ヶ月半で『マルボロ バランスドレギュラー』を1カートン消費したので、ここまでの感想を記しておきたい。

 ■部屋はほんとうに汚れない

 私の経験上、3ヶ月ほどたばこを吸っていると、部屋の白い壁や天井が薄茶色に汚れていき、部屋もニコチン臭くなるが、『iQOS』の場合はそういうことはない。上記の研究結果はほぼ正しい、というのが実感だ。ただ、吸った本人は口周りがややたばこ臭くなるが、これは「吸った」という満足感とセットなので、致し方ないところだろう。

 ■灰皿以外のところにでも置ける

 例えばやかんを沸かして紅茶を入れるときなどに、近くのラックに本体ごと置いておいてもOK。何かをしながら吸うときには便利ではある。

 ■くわえ『iQOS』は現実的ではない

 本体にそれなりの重さがあるので、くわえたばこをする感覚で吸うことはできない。両手でキーボードを打ちながら作業をしつつたばこを吸う……といったシーンと同じことはできないので、私の場合はあくまで休憩するタイミングや、書いたものを見直す時に吸う、といった感じになった。

 ■吸う本数は明らかに増える

 カタログスペックでは、1回につき14回吸い込むことができ、約6分間吸えることになっているが、従来たばこと同じ感覚でスパスパ吸っているとあっという間にライトが赤く点灯して吸い終わってしまう。その後、再充電をしないと吸う準備ができないので連続して吸い続けることができないのだが、ヘビースモーカーのひとはやや物足りなさがあるかもしれない。私もついつい吸ってしまうので(ここまで書くのに1本消費した)、吸う本数は明らかに増えるという人が多いのではないか。

 ■たばこと『iQOS』は別物

 私の場合、外で作業をする場合は従来たばこ(ダビトフ・ライト)を吸っているのだが、やはり葉を燃やすたばことは別物の味だな、というのが正直な感想になる。従来型のたばこは800℃以上の温度になり、『iQOS』の場合は400℃以下という違いがあるのだから当たり前といえば当たり前なのだけど。この「燻す」感覚は好き嫌いが別れるだろう。私としては、こちらはこちらの苦味のなさや葉の味がよく感じられるところが楽しめるので、その差を味わうというのもアリだと思う。

 ■『iQOS』は普及するのか

 まず、本体のセットが10000円前後かかるというのが、多くの喫煙者にとってはネックになるだろう。それでも乗り換えるというには、家庭でたばこ嫌いがいる場合であるとか、健康面で気を遣いたいけれど禁煙には至らないといった妥協案としての選択肢、ということになって、若干動機としては弱いように思える。
 現在、『iQOS』は原宿に旗艦店を設置したり、『iQOS』が吸える専用スポットを展開して普及に努めているが、それ以外にも従来の禁煙スペースでも吸える、といった取り組みが不可欠になってくるだろう。実際、レストランやカフェなどの禁煙エリアで吸える『iQOS Welcome Place』の認定を進めている。
 また、行政側への禁煙エリアで吸えるようになる、といった働きかけも必要。実際、名古屋市などでは「火と煙が出ない」ということで加熱式たばこや電子たばこが吸えるが、千代田区など東京では「ゴミが出る」という理由で認められていないなど、対応がまちまちだ。ここで吸える場所が増えるとなると、『iQOS』などに切り替える明確な理由になり得るのではないか。

 余談だが、Parsleyがたばこ屋さんで『バランスドレギュラー』を買おうとした時に、「本体は持っている?」と確認されて「当たり前だろう」と思ったのだけど、「本体がないのに買おうとするお客さん、多いのよ」と笑って売ってくれた。まだまだそういった認知や啓発も必要とされているのが現状、ということなのだろう。