転職後悔記事を見て考えたこと

 Parsleyです。こちらではお久しぶりです。
 先週はついにというべきか、自分でも動揺するくらいに体調を崩して、さまざまな方面にご迷惑をかけてしまった。ごめんなさい。ようやくゆるゆる動けるようになって、作業に汲々としているわけなのだけど、まだまだ本調子とは言いがたいので休憩がてらにエントリーを書いてみる。

 元日立社員が転職を激しく後悔! 「土下座してでも戻りたい」にネット「失敗じゃない。次行けばいい」 (キャリコネニュース)

 元になったエントリー(参照)は寡聞にして未読だった。この機会に拝読してみたのだけど……長い。「辞める」というだけでここまで長文を書くことができるというのは、それなりに自己愛が強いのだろうし、「日立」という大企業に入ることができた自信という裏打ちがあったことが読み取れる。城繁幸氏の著書に触れているあたりでイヤな予感が漂うし、辞めていく会社の欠点をあげつらうあたり、感謝の念に終始する退職エントリーとは一線を画している。そういった意味では「名エントリー」の類に入るのだろう。
 ただ、個人的に気になったのは、Linux Technology Center(LTC)へのこだわりだ。「一度でいいから, 名刺にLTCと書きたかった」とまで書かれると、執着といっていい。なんというか、少なくとも「それはそれ、これはこれ」と割り切ることが苦手なのかしら、という印象をもつし、それが現在の「日立に戻りたい」という願望にシームレスにつながっているように思えた。いや、もっというならば、あまりにもつながり過ぎている。

 彼が現在の会社に残るべきなのか、何とかして古巣に戻る道筋を探すべきなのか、それ以外のお仕事を見つけるべきなのか、ちょっと判別がつかないのだけど。
 このブログを開始したのは2004年だったのだけど、その頃には既に有名なプログラマー達が様々なエントリーを公開し、その「成果物」をもとにキャリアアップを果たしていた。そのスピード感は横目で見て羨ましくもあったが、それは「帰属意識」とは距離のある、「傭兵」に近いワークスタイルのひとが多かったように思う。もしくは、隋唐時代における「布井」のような、在野における賢者として一目置かれ、各種メディアでお仕事をするという路を採りつつ、起業を探るという人も中にはいた。要するに、彼らの多くは常にさまざまな選択肢を手元に有していたのだ。

 それに。お仕事一辺倒で、生活や趣味など別の事にも軸足がないと、そのお仕事でコケた時のリカバリーが利かない。そのために生活でも趣味でも何でもいいからお仕事とは別のアウトプットがあるとまた違ってくるはず。

 ただ。私も30そこそこで転職した際にはそれに気付かなかった。「自分のやりたいこと」に収斂させていくことが「正しい」と信じきっていた。結果として盛大にコケて心身とも壊したし、周囲にも迷惑をかけまくった上に、まだその時の傷が尾を引いている。それでも、「そんな経験しなかった方がよかった」と思うか、といえば、そんなことはない。思い出すと胸が苦しくなるけれど、その時に体験したからこそ分かることだってある。それを生かすも殺すも、結局は自分の意思ひとつなのだし。

 だからまぁ、京大卒で元日立のエンジニア氏は、ご自身が行きたい路を迷いつつ選べばいいと思うし、以前に記したエントリーを恥じる必要もないと思う。ここまで話題になった以上は、書いたことをどう「利用」するのか、ちょっと興味があるので、こっそりと見守ってみたいと感じた次第です。

 ここまでで30分経ってしまったので、このあたりで失礼!

「役に立たない」と思う本こそ買え
森田 正光
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