特定秘密保護法案可決とメディア・知識人不信

 2013年11月26日、特定秘密保護法案が衆議院本会議を自民・公明両党とみんなの党などの賛成多数で可決した。

 特定秘密保護法案 衆議院本会議で可決 NHKニュース

 Parsley個人としては、法案そのものに反対だし、この時期に緊急上程して通過させるほど決める必要があったのかどうか、首を捻らざるをえない、というところなのだけれど。ふつうに人権を脅かしているし。
 同時に、法案に反対を表明しているリベラル勢力のいつもの面々のリストやオールドメディアの記事を眺めてみて、これではコンセンサスが得られることはないだろうなぁ、と思わざるをえなかった。

 例えば。2010年の尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件当時、各メディアが政府の情報管理の甘さを指摘し責任を追求していたのに際して、今回「報道の自由」をタテに反対するのは矛盾しているのでは、という声がある。

 新聞の社説――現在「知る権利を守れ!」 3年前「尖閣ビデオ流出は許せない!」 – ガジェット通信

 当然ながら、くだんの事件の対応は批判されるに足るものではあったし、今回の法案での「特定秘密」の指定について「都合の悪い情報を隠すことにつながるのではないか」といった懸念があるのも確かで、それを検証あるいは報じるのもメディアあるいは研究者の役割ではあるだろう。
 しかし同時に、前述のような国家機密の管理の不備について指弾してきたという事実を消化しないまま、反対を唱えても説得力が減じられてしまうし、一般人の多くにとりあえず政府の批判をしておけばいい簡単なお仕事をしている、と左から右に流されてしまう理由の一つにもなっているのではないだろうか。
 今回このような無茶な法案が通ってしまったということは、相対的に民主党政権に甘いという印象を与えてしまったオールドメディアが間接的に手を貸した、という見方もできるかもしれない。個人的にもメディアと政府・行政機関とどちらのほうが信用できるか、といわれると後者の方がまだマシと答えるし、90年代の細川・村山政権や2009年以降の民主党政権での混乱を見てきたロスジェネ世代以降にはそう考えているひとの方がマジョリティなのでは、と思う。

 そんなこんなで。秘密法案に反対しているメディアや知識人の皆様におかれましては、自身への信頼が揺らいでいることについて、多少は敗北感を覚えてもらいたいものだなぁ、と願う次第です。
 ま、仮に法案が通ったとしても、正義感がある職員の方はウィキリークスにでも匿名掲示板にでもどこにでも漏洩させるに決まっているし、その漏洩者を指弾しようとした際は別の国家もしくはアノニマスが彼を擁護もしくは庇護することになるだろう。秘密法の有無に関わらず、秘密は秘密として機能できなくなる場合も予想される。だからこそこの法案はナンセンスなんだけど、これはまた別のお話ということで。