有料メルマガ『ParsleyのSurvival in Tokyo』刊行宣言

 「もう限界。勘弁してください」
 家人にそう三行半を突きつけられたのは、8月の暑い最中だったか。
 昨年の3月に広告企画会社を解雇になって、その年いっぱいは失業保険などで一定のお金が入ってきていた。だけど、2011年に入ってからは、満足にカワサキハウスにお金を入れることが出来なくなっていた。
 無理もないな…。
 ぬるい麦茶を飲みながら、自分の非力さをつくづくと思い知らされた。

 失業してから、私も手をこまねいていたわけではない。応募出来る職種は片っ端から応募してみたし、面接した総数は延べ50を超えた。あらゆる派遣会社にも登録してみたし、携帯電話販売員や警備員の仕事の登録もしてみた。
 けれど、実際に職にありつく、というところに至らなかった。
 これには、大学を出てから派遣社員⇒出版社勤務(3年)⇒ITベンチャー勤務(1年半)⇒広告企画会社Webプランナー(半年)という職歴で、しかも35歳という年齢が多分に「中途半端」なことに起因しているように思える。特に専門職を求めるWebの世界では、「何でもやっている」という私の経歴は、「浅い経験」と見なされてしまう。

 ライターとしても、結構必死になって「営業」した。仕事になりそうなところには全て首を突っ込んでみた。正直、無理もしたけれど、実際に「身」になったものもあった。私のことを「買って」くれる方もたくさんいらっしゃるという事実は、私を勇気づけもした。
 だけど、手元にやってくる収入が、まったく十分でない、という事実は私を今も悩ませ続けている。
 そして、「良い記事を書き続ける」ということが、「新しい仕事を呼ぶ」「ライターとしてのステージが上がる」ということに全く繋がらないという事実に、もがき苦しんでいる。

 そして。仕事に対して手加減なしに向き合った代償として、自律神経失調症になったという過去が、どこかで社会人としての自信を取り戻しきれていない自分がいることも、暗い蔭を落としている。
 瞬発力はだいぶ取り戻した。けれど、必ずしも自分が望まない状況で業務を続行する持久力があるのか。そういった不安を抱えたままだ。

 こういった状況に自分がハマってしまっているのは、私の責任だ。だが、「ロスジェネ世代」と呼ばれていた年代のちょうど中間に位置する私が、社会的状況から受けている影響というものにも、無関心ではいられない。
 いや、もっとはっきり言ってしまおう。こういった自分を取り巻く状況に、私は怒りを禁じえない。

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 そんなこんなで。
 年明け1月より、有料メルマガ『ParsleyのSurvival in Tokyo』を刊行いたします。
 今のところ、BLOGOSさんとまぐまぐさんとで刊行予定で、週1回配信。月額315円(税込)を想定しております。

 コンテンツは、会見などに出席したり取材したりして各大臣・省庁の動きをレポートする「霞ヶ関から愛を込めて」、その週のネット上のトピックに関して触れる「ネット世論ウォッチング」、東京のカルチャーについてレポートする「トキオニアン・スピリッツ」、そしてParsleyの日常の苦闘を記録する「秒針を走る」、などなどを予定しております。

 その他、読者参加コンテンツなども企画したいと考えております。
 お申し込みが出来るようになりました際には再度告知したいと思います。
 週60円、月300円の価値はあるコンテンツを提供できるように務めますので、何卒ご登録頂ければ幸いです。
 よろしくお願い申し上げます。

きゃりーぱみゅぱみゅと『Zipper』『KERA』

 「アイドル戦国時代」と言われ、男性グラビア誌やヤングマンガ誌だけでなく、女性ファッション誌にもAKB48を筆頭にアイドルグループが進出していった2011年だけど。もう一つ、ファッション誌ウォッチャーとして注目しておかなければならないのが、「読者モデル」の「タレント化」。
 特に、携帯向けに展開しているCROOZブログで書いている「読モ」が、画像(写メ)と個々のキャラクターを前面に出すことで、ユーザーの支持を集め、それが出演している雑誌にも反映している、という好循環が生まれている子が何名も登場している。
 その潮流を牽引したのが、きゃりーぱみゅぱみゅだ。

 彼女は原宿を大きなリボンを着けて歩いているところを『KERA』のストリートスナップに撮影されたのをきっかけに読者モデルとしての活動を開始したのだが、何よりも「デュクシ」「(かわいくて)キレそう」といた独特の「きゃりー語」や、あえてヘンな顔をした自身の画像をアップしたブログが同世代の女子高生から圧倒的に支持された。
 そして、2011年になり高校卒業を機に活動の幅を広げ、CDデビュー。
 ミニアルバム『もしもし原宿』は、オリコンチャートでは最高18位に過ぎないが、収録曲の『PONPONPON』は2011年最大の注目曲、いや、中毒曲と呼ぶべき存在だ。まだ未試聴の方はYouTubeで
 中田ヤスタカのプロデュースのサウンド+きゃりーの世界観が示された「うぇいうぇい」「ぽんぽん」の連呼+6%DOKIDOKI増田セバスチャン氏の美術の組み合わせの織り成す「奔放な現在」は、異常に閉塞感のあるかのような日本社会に対して、存在自体が批評的だが、それについてはひとまず置いておく。
 いずれにしても、『PONPONPON』は音楽好きから広く支持され、一時東京のクラブのどこに行っても毎回耳にするくらい、ヘビーローテーションで掛けられていた。
 このように、モデルという枠を超えた活躍を見せているきゃりーだが、自身はことあるごとに「原宿を世界に伝えたい」というメッセージを発している。
  
 では、今の原宿を体現している雑誌は何か、といえば、ともにきゃりーが「読モ」をしている『Zipper』と『KERA』だ。
 『Zipper』で他誌との違いが分かるのは、コーディネートの商品の記載がブランド名ではなく、置いてある店舗だということだ。
 1月号では「今買うべき安カワおしゃれ」という特集で10000円以下の全身コーデを提案。レトロアウターやブロガー風、パンク風といったアイテムを、スピンズKINJIMomoなど新古着店でセレクトしている。レオパードのフード着きコートが2320円とか、水色レトロカラーのワンピースが3990円とか女子高生でも楽に手が入る上に、オリジナリティを発揮できるアイテムが散りばめられている。

 『KERA』といえば、ゴスロリなイメージの強い雑誌だったが、ここ数年で各ブランドのラインが多様化した結果もあって、「ゴス」という基本軸に変化はないものの、だいぶカジュアルになってきたなぁ、という印象を受ける。昔なら、「ゆるかわ」なんて単語は絶対に載ってなかっただろうし。ガーリーなロックスタイルや、パンクでもややレトロな着こなしとかも普通に載っている。いわばゴスの「カジュアルダウン化」と価値観の多様化が起きている。
 余談だけど、アニメ『輪るピングドラム』の陽毬ちゃんをイメージしたブラウスとスカートをロマン系のお洋服が得意とするブランドInnocent Worldが作って、声優の荒川美穂女史が着用した写真が『KERA』に掲載されるとは、数年前では考えられないことだ。
 閑話休題。そういった流れの中、「キャラクター性」を主張するファッションスタイルとアイテムへの注目度が高くなっているのが、原宿ストリートスナップでも見て取れる。単なる「ゴス」だけでは、テンプレートでしかなく、そこから何かを足したり引いたりして、自分なりのスタイルを見つける、といったことが、今の原宿では起きている。

 そして、この傾向は原宿のみに留まらないのかもしれない、とParsleyは思いはじめている。現地調査をしていないから話半分にしてもらいたいのだけど。
 きゃりーぱみゅぱみゅは毎週原宿のニコニコ本社から『きゃりーのウェイウェイNICOちゃんねる』を放送している。この番組中に、視聴者ときゃりーが直接会話できるニコニコ電話のコーナーがあるのだけど、聴いていると地方(郊外、ではなく)の中・高生が多い。
 例えばスピンズなんかは金沢や姫路、大分にも店舗があるし(参照)、札幌、仙台、静岡、広島などには雑誌のアイテムを揃えたKERA SHOPがある。ケータイによる通販も広まっている。
 こう考えていくと、案外『Zipper』『KERA』の影響力は約18万/12万という販売数に留まらない影響力があるように思える。それには、今年になってTVなどにも出演するようになったきゃりーの存在が大きいし、前述したような読モのブログの影響も見逃せない。

 『CanCam』の「モテ系」、『小悪魔ageha』の「age嬢」、その後に来た「森ガール」。そこからのトレンドは、どうも「読モの台頭」「原宿の復権」といったところがキーになっているように感じる。
 引き続き原宿のストリートの動向と、地方への波及という点には注意してウォッチしてみたい。

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追悼・バイソン・スミス

 訃報を知った時、しばらく言葉を失った。先日までNOAHのグローバルリーグ戦で、パワーと持ち前の握力が猛威を振るっていたというのに。

バイソン・スミス選手が急性心不全のため、
現地時間11月22日 プエルトリコにて永眠いたしました。
ここに生前のご厚誼を深謝し、謹んでご通知申し上げます。

本日、11月23日・花巻市なはんプラザCOMZホール大会にて黙祷、
お別れの場として、11月27日・有明コロシアム大会にて献花台を設置し、
10カウント弔鐘を鳴らし、故人の冥福を祈ります。

 相手選手を逆立ちにして両腕で抱えて腕を両足でホールドさせた状態でホイップしながら前のめりに叩きつけるフェイスバスター、バイソンテニエルというフィニッシュホールドが大好きだった。

 最近で印象に残った試合は、2010年9月の日本武道館でのモハメド・ヨネ戦。
 花道での攻防に競り勝ち、エプロンに向けて断崖式のバイソンテニエル!ヨネを担架送りにしたあの衝撃と戦慄は忘れられない。

 二度、GHCタッグのベルトを巻いたが、シングルのベルトには二度挑戦して戴冠はならなかった。
 リングシューズに、アメリカ国旗と日の丸をあしらう、大の親日家だった。そして、三沢光晴最期の試合の、対戦相手でもあった。

 生前、三沢さんは選手に消耗を強いるリーグ戦の開催に消極的だった。彼が亡くなった後に開催されるようになったグローバルリーグが終わった直後に、このようなことが起こると、三沢さんの慮りを想起せずにはいられず、またそのような厳しい闘いを連日繰り広げるレスラー達への畏敬の念を新たにするのだ。そして、誰もが無事でありますように、と願わざるを得ない。

 三沢さんが亡くなった時、彼に米国で見出され来日するようになったバイソンは「Forever」と短く哀悼した。
 彼に倣い、Parsleyもこれまでの激闘へのねぎらいと感謝の念をこめて、彼のテーマ曲IRON MAIDENの『Rime Of The Ancient Mariner』を流しながら、プエルトリコに向ってこうつぶやこう。

 「Forever, Bison Smith」と。

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『PS』休刊の理由は『CanCam』の生存戦略

 小学館の女性ファッション誌『PS』がなくなったことを、世界で一番悲しんでいる乙女男子ことParsleyです。ごきげんよう。

 しかし、『PS』の休刊が決定したのは7月だったのだけど、その直前にサイトと携帯HPのリニューアルを実施している。このことからも、編集部の意向は関係なく、経営側の一存によって決定された事項だということが透けて見える。
 日本雑誌協会のデータによると約20万部。実際はさら数万単位で減っていて、実売はどんなに多く見積もっても12万部前後だっただろうが、例えば『LEON』の姉妹誌だった『NIKITA』が4万部前後で最後まで踏ん張っていたことを考えれば、諦めるのは早すぎたように思えなくもない。
 各ニュースでは「広告収入の低下」を理由に挙げていた。確かに昨年度と比較してナショナルクライアント、クルマやケータイ、それにゲームといったタイアップ企画が減っていたのは目に付いた。しかし、表3(背表紙の裏)には最後までバンタンが広告を入れ続けていたし、各ブランドの純広告・タイアップ記事とも堅調に入っており、見た目でガクンと下がったようには感じられなかった。
 
 となると、『PS』休刊の理由は、小学館全体の雑誌戦略と関わってくるもののように思える。
 もっと言うと、「不沈艦」である『CanCam』を守るために、『PS』が犠牲になった、と捉えるべきなのではないだろうか。
  
 小学館の女性ファッション誌の中では、『PS』が一番低い年齢、18歳から22歳という女子大生・短大生を狙った雑誌だった。もともとが『プチセブン』で、中学生がターゲットだった出自を考えればそれでも上がっているのだが、モデルに10代(当時)の紗羅マリー(2004年頃が懐かしい!書いていることが恥ずかしい!)や河北麻友子、入夏などを積極的に出しており、ストリートスナップにも女子高生が頻繁に登場するなど、「16歳が背伸びして読んでも全然OK」な雑誌だった。NICE CLAUPに代表されるような、お小遣いやちょっとバイトすれば手が届く価格帯のブランド・ラインを紹介し続けた、というのも大きい。
 それが、年々、年齢層が上にもリーチするようになっていく。表紙に吉川ひなのを起用したり、今宿麻美のような「お姉さん」系のモデルも登場してきて、「コンサバでない」OL層や兼業主婦層まで視野に入れた雑誌になっていった。

 実は、同じ傾向は『CanCam』にもいえる。もともと22~25歳のOLがターゲット層で、通勤服やデートの際のコーデなどを提示し続けていた同誌は、山田優、蛯原友里、押切もえ、西山茉希らが次々と登場した2005~2007年に「モテ系」として一世を風靡し、一時は70万部が完売という勢いを誇った。
 だが、25歳より上の「姉」層を狙い、姉妹誌の『AneCam』を刊行してまもなくしてから、雲行きが怪しくなる。読者は『AneCam』にうまく流れずに変わらず『CanCam』を読み続け、『Oggi』『Domani』といった30代向けの雑誌へとエスカレーターで読者が流れて行かなくなってしまったのだ。

 これには、デフレ不況により、読者層の収入と紹介されているブランドとのミスマッチが起きたことも起因している。ファストファッションを着ても恥ずかしくない風潮の前に、ヴィトンのバッグを持っていないと恥ずかしい時代は完全に過去へと押し流された。
 それでも、商品単価の高い化粧品や、高級ブランドの広告は入るから、30代向けの雑誌は若年層ターゲットの雑誌に比べては生き延びやすい。読者数はずっと減少しているが、しばらくは持ちこたえるのではないか。

 さて。問題は『CanCam』だ。2011年12月号のキャッチコピーは「23歳・25歳・27歳 何使ってる?何が便利」。5年もの年齢層をカバーしているわけだ。多くのブランドや化粧品は25歳を基準にラインを変えるから、そのどちらも取り込もう、としていることになる。
 さらに、同誌が主導して、13歳から17歳をターゲットとしたオーディション「MISS TEEN JAPAN」を開催している。つまりティーンにも読んで貰おうとしているのだ。
 その上で。2012年1月号では、原宿系で2011年にブレイクしたきゃりーぱみゅぱみゅや女子サッカー日本代表の永里亜紗乃選手、そしてももいろクローバーZを「Cam流にする」という企画を掲載し、それまでのコンサバな『モテ系』の外縁にいた層を取り込もうと試みている。
 つまり、『CanCam』は10代から30歳までまんべんなく取り込めるような全方位戦略を採用したわけだ。

 となると、同じ出版社で、年齢も近い層をターゲットにしている『PS』は一番邪魔な存在になる。
 それで、未だに膨大な広告収入が入る『CanCam』を生き残らせるための戦略を、小学館は選んだ故に、『PS』は休刊の運命を辿ったのだと、Parsleyは推察する次第。

 しかし、この『CanCam』生存戦略が果たして上手くいくのだろうか?
 日本雑誌協会発表の数字では約32万の発行部数だが、ブログ『誰も通らない裏道』様のエントリーによれば、2010年上半期の『CanCam』の実売数は21万2000部、下半期で19万3000部、そして2011年上半期では14万8000部という驚くべき数字が出ている。
 さすがにこの数字では、広告出稿に影響せざるを得ないだろう。

 「モテ系」というテーゼの劣化、ターゲッティングの不在、ライフスタイル多様化に全て応えようとして結果的に中途半端な雑誌になってしまっている、というのが、現在の『CanCam』の姿のように思える。誰が読む雑誌なのか、まったく分からなくなっているのだ。

 一方で。ファストファッションも広告クライアントに取り入れてデフレカルチャーの波に上手に乗り、付録戦略とアラサーにターゲットを絞った宝島社『Sweet』は100万部越えを果たした。その上の年代、30代女性を狙った『InRed』も好調に推移しているように見える。
 だが、この付録&表紙タレントで「買わせる」というシンプルな戦略も、だんだん読者に飽きられてはじめている、というのがParsleyの感触になる。コンビニに入っている部数が明らかに減っているし。

 それでは、現在のファッションシーンの牽引しているのはどのメディアなのか。…という話は、次回のエントリーにて考えてみたいと思う。

提言型事業仕分け「電波オークション」注目されず?

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 11月20日から行われている提言型事業仕分けでParsleyが個人的に注目していたのは、「電波行政のあり方」に関する議論の行方。
 テレビがアナログから地上波デジタルになったことで、VHF波の約70MHzとUHF帯の再編で60MHzの合計130MHzが空いた跡地をどうするか、という問題なのだが、特に池田信夫先生などが継続的に総務省とテレビ局との「利権」に関して警鐘を鳴らしているのでご存知の方も多いとは思う。
 行政刷新を担当する蓮舫大臣に、11日の会見で質問したところ「電波オークションは当然視野に入れます」と断言なさった(参照)ので、どんな感じかな~と思ってみていたら、まぁまぁ踏み込んだ内容となっていた。

 B3-1 : 情報通信:電波行政のあり方(新たな周波数の割当等)
 評価結果概要 :
 【方向性】
 第3.9世代携帯電話から導入すべき
 オークション収入は一般財源とすべき

  「オークション制度の早期導入は、透明性、公平性、財源収入の観点から、国民の理解は得られる。各政党の理解も得られる。①従って、一刻も早く導入すべき。②導入はプラチナ・バンド、3.9 世代から即時導入すべき」と、明日にでも導入、といったトーンで、なおかつ、「割当を自由化して総務省電波部の定員を削減すべき」「本件、電波部にゆだねて改革するのではなく、規制改革として検討すべき」と、政治主導で行う旨が色濃い提言となっている。
 提言自体は評価に値する内容。しかし、これが果たして実行できるかどうか、になってくるのだろうけれど。

 ただ、「電波オークション」に関しては、一般市民の反応は正直薄く、所謂総務省とテレビ局との「利権」という認識は必ずしも共有されているとは言いがたいところ。
 当然、テレビ局は、自分たちとって不利なニュースを流すことには及び腰で、提言仕分けのニュースでも同日Aグループで行われていた「大学改革の方向性のあり方」について時間を割いて、電波行政の方は放映しない、もしくは扱いが小さいものが目立った。
 一方、新聞では…。

 電波利用料、使途拡大を…提言型仕分け2日目(Yomiuri Online)
 
 読売は電波利用料の一般財源化についてフォーカスして、総務省内の問題ではなく、携帯の利用料の件へシフトしようとする苦心の書き方。

 携帯電波割り当て、競売制導入求める 政策仕分け(朝日新聞デジタル)

 朝日では、「第4世代より一つ前の「第3・9世代」携帯電話の周波数帯の割り当てが来年にも予定されるが、これについては競売方式としない」という総務省側の見解を仕分けの内容よりも先に載せている。

 周波数オークション:導入で収入を一般財源に…政策仕分け(毎日jp)

 毎日は、行政刷新の結果をそのまままとめたニュートラルな内容。

 【提言型政策仕分け】久々の「仙谷節」 統括役で登板 官僚を恫喝(msn産経ニュース)

 産経。「仙谷氏は、準備の必要性を理由に制度の早期導入に抵抗する総務省の担当者を一刀両断」「その場にいない川端達夫総務相の名を借りての威圧も忘れなかった」と、記事としては一番面白い(笑)。

 まぁ、そんなこんなで、電波行政のあり方に関しては、総務省側の抵抗も含めて予断を許さない状況ではありそうだけど、この件に関しては与野党一致で改革の方向性みたいだし、あとは今の政府の腕力次第、といったところなんじゃないかしら、と思う次第。
 あとは、世間の注目度をもう少し煽った方がいい気がするけれど。そのあたりは池田先生あたりにお任せするべきなのかしらね。

TPPが話題で増税が騒がれないのはなぜ?

 11月11日、野田首相がTPP(環太平洋経済連携協定)への参加を表明するとのことだ。

 野田首相、今夜TPP交渉参加表明へ(YOMIURI ONLINE)

 個人的にTPPには正直に言ってあまり関心がなくて強いていえば消極的賛成というところなのだけど。
 強く違和感を覚えるのは、つい数年前まで既得権益の打破が国民的な総意で政治家や学者、メディアも皆その方向でコンセンサスが取れていたと思っていたのに、急に「加盟すると日本の農業が潰れる!」という議論を中心に、国内産業保護の大合唱になっているのは、一体なぜなんだろう、ということ。
 農業関連の方々が騒ぐのはまだ分かる。でも、しまいには、加盟すると著作権がアメリカに合わせて期間が延長されて非親告罪になるといった「そんな馬鹿な」といったことまで大真面目に語られるのを見ていると、ほんとうによく分からなくなる。ほんと、一体なんなの?
 ぶっちゃけ、多くの国民にとってはTPPに加盟しようがしまいが、生活が劇的に変化することはない、と愚考するんだけど、Parsleyの認識が間違っているのかな? 誰かえらいひと教えて下さいませ。

 一方で、11月3日のG20サミットで野田首相が日本の消費税率を2010年代半ばまでに10%に引き上げる方針を正式に表明。世界のマーケットに対する「国際公約」に、いつの間にかなってしまった格好だ。10%ですよ、奥さん。今105円で買えるプリンが110円になるんですよ? 超大問題!!
 野田首相は「来年の通常国会で具体的な時期や増税率などを明記した関連法案を成立させた後に国民の信を問う」という趣旨の発言をしているから、財務省の思惑通りに消費税は上がってしまう方向に明確に舵を切っているにも関わらず、マスメディアは淡々と報じているだけだし、ネットユーザーもそんなに騒いでない。一体なぜ?

 2009年衆院選の民主党のマニフェストには消費税増税に関しては一言も書かれていない(むしろ自民党が消費税増税を検討するとはっきり書いていた)。2010年参院選時には、「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します」とあるが、税率や時期については明言されていない。
 つまり、思いっきりマニフェストを逸脱したことを国際公約にしちゃっているんですが、なぜ皆目くじらを立てないのか、素で分からない。
 財政健全化は、国政が抱えている長年の懸案だけど、前回1997年に消費税を3%から5%した結果、デフレの原因となり所得税・法人税が減収し結果的に財政がますます悪化したことを忘れてはいけない。現在もデフレ経済下にあり、また空前の円高で輸出産業が打撃を受けているという状況。どう考えても、消費税、上げちゃいけないと思うのですが、Parsleyの認識が間違っているのかな? 誰かえらいひと教えて下さいませ。

 また、11月10日には、民主党・自民党・公明党での税制調査会長で復興増税について合意がなされた。所得税は2013年1月から25年間で約7.5兆円、個人住民税は14年6月から10年間で約8千億円(一部控除廃止分含む)の増税が、このままいけば11月下旬に国会で成立する。

 復興増税、年収1000万円で1.4万 500万なら1600円  所得税7.5兆円、民自公合意(日本経済新聞)
 
 これも「東日本大震災の復興のためだから痛みを分かち合わないと」とスルーされている気がするけれど、ちょっと待って欲しい。
 しつこいようだが2009年民主党マニフェストには、下記のように記載されている。

 国の総予算207兆円を全面組み替え。税金のムダづかいと天下りを根絶します。(中略)衆院定数を80削減します。

 …これ、実行されてなくない?
 ちなみに。予算の組み替えで9.1兆円、「埋蔵金」などで5兆円、租税特別措置の見直しで2.7兆円の計16.8兆円が浮くことになっているのだけど。これを「平成25年度に実現」とあるのだが、これってどこまで進捗しているんだかリリースがほとんど伝わってこない。埋蔵金、見つかったの??
 つまり、このマニフェストを鵜呑みにするならば、復興増税などすることなしに10.5兆円は捻出できるということになるんですが。なぜ誰も突っ込まないのか不思議で仕方ない。これもParsleyの認識が間違っているのかな? 誰かえらいひと教えて下さいませ。

 とにかく。今の床屋政談は分からないことだらけだ。
 parsley個人としては、実際に交渉がまとまるかも分からず、実行されたところで生活への影響がどうなるのかよく分からないTPPの議論をするより、生活にクリティカルに影響を与える復興増税、そして消費税増税に関して、もっと議論されるべきなんじゃ、と感じているわけなんだけれども。
 私にとっては、日本の自給率がどうなるか、ということよりも、105円のプリンが110円になる可能性が高いことの方が、ずっと問題だと思う次第です。

『PS』12月号を読んだ。

 これが最後の『PS』。おそらく世界中でParsleyほどこの雑誌を熱心に読んでいた男子はいないと思うのだけど、やっぱり残念だしさびしさを感じる。もしかして、これまでこのblogを続けてくれたのも『PS』のおかげかもしれない。今までありがとうと、先に編集部・スタッフの方々に御礼を申し上げます。

 今号の表紙は蒼井優。彼女らしい笑顔だなぁ。「街のブームSNAP」の「おじパン」として白のだぼっとしたパンツをチョイスしている30Pのショットはさすがだった。
 彼女をはじめ、aiko、土屋アンナ、今宿麻美、菊池亜希子の五人は各2ページのインタビューが掲載されている。 中でも目を引いたのが、イエローのニットワンピにブラウンのマフラーを巻いたあっこ。このメンバーに入っても遜色ない存在感。「柔らかな凛々しさ」と表現したらいいのかな、彼女独特の空気を纏うようになったことで、ずっと見続けていた身としては「すごいなぁ」と感じてしまった。
 あっこだけでなく、『PS』のモデルさんたちはそれぞれの個性でいい意味で自由なスタイルをしている。巻頭の4Pから河北麻友子、入夏、あっこ、今宿、紗羅マリー、宮本りえの6人が「冬のおしゃれプラン」を提案しているのだけど、良くも悪くも皆バラバラのファッション。だけど、4Pの河北が着ている水色のビックジャケットや、7Pの入夏のツイードジャケット、8Pのあっこのイエローのコート+ボーダーのタートルニット+サロペット(PAGE BOY!)というコーデ…といったように、どのモデルさんも服に対する理解度が高くて、「プリティ・スタイル」だというところが共通しているのが分かる。44P・45Pの「人気モデルズのPS12連発」も、お洋服が歌っているようにどの子もハマっていた。

 「麻友子&入夏のおしゃれレッスン」では、「’00年代ガーリーカジュアルのまとめ!!」ということで、90年代から2003年までの裏原ガーリーカジュアルをBEAMSの南馬越一義氏が、2004~2007年のミリタリーMIXについて、エディターの松尾彩女史が、2008~2011年の森ガール・OJIガール・ゆるカワガールについてスタイリストの林田夏苗女史がそれぞれ解説している。これはファッションに関心を持っているひと全てにとって必読。
 この特集でちょっと笑ったのが、酒井景都女史が森ガールについて「最後まで得体が知れないものだった」と過去形でコメントしていたところ。まぁ、景都さんは本物のオリーブ少女だしなぁ…。
 あとは、他誌では使われていない「OJI」というキーワードへのこだわりを貫いたのは、褒めるべきところかな。

 それから、山ガールに関する特集が6ページ組まれていたが、まるで『ランドネ』ですかというガチぶりに若干引いた(笑)。「PS登山部」が乗鞍岳に登っての編集会議まで掲載。これは、本格的に女子登山、来ているのかもしれない。

 記事広告では、今宿を起用したJEANASISのページが、大人っぽさに過ぎず、適度に可愛いアイテムを提案していて目を引いた。着こなしも参考になる。ショップに行こうかしら。

 全体として、あくまで実用的かつ、それほどお高くないアイテムを紹介していて、最後まで『PS』らしかった。それが個人的に嬉しかったし、さびしさが増した。

 あ~っ。『PS』で何かコメントするというParsleyの野望、果たせないまま終わっちゃったなぁ…。

危機管理時の広報担当twitterを考察してみる

 私Parsleyは、株式会社ソラノートの『ライブブ』立ち上げの際にちょっとだけお手伝いしたのだけど、諸般の事情で離れてしまったら、当初の企画とは全然違うサイトにリニューアルして、そらの女史をメインコンテンツに再び前面に出していたので、「あぶないなぁ」と思っていたら…。放送中に著作権侵害疑惑とか。

 ライブブ著作権侵害事件について、ソラノートプロデューサー梅本氏の発言まとめ(togetter)

 また、同時期に、自由報道協会がダライ・ラマ法王14世の11月7日の主催会見を「独占」をリリースしたのだけれど、実際は宮城で会見が行われていて、「独占ってデマじゃないか」と物議をかもしたみたい。

 自由報道協会のデマ・畠山理仁氏の言い訳(togetter)

 梅本氏も畠山氏も面識があるので若干心苦しくはあるけれど、どちらもtwitter上における危機管理時の広報対応の反面教師の例だと考えるので、敢えて問題点を列挙してみたい。

 まず、前段として。『ライブブ』も自由報道協会も公式twitterアカウントが存在するにも関わらず、「お知らせ」を流す以外に機能していなかった。本来ならユーザーからの問い合わせや苦情のリプライやフォローは公式アカウントで対応するように徹底すべきだ。それがその組織体の「公」の見解であることが誰からも明らかにするためにも、常日頃から個人のアカウントと組織の公式アカウントの役割分担をはっきりさせておくべきだった。
 
 次に。私は3月の段階で、ネット上での危機管理のルールについてエントリーを書いた。

 ネットで揉め事を起こした時の三つのルール

 この中の三番目のルール、「相手とのやり取りは全てクローズドで。オープンにするのは全ての決着がついてから」、揉め事の火種を撒かないためには絶対に守らなければならない。
 『ライブブ』の場合、梅本氏は誰に何を言われても我慢して黙ってなければならなかった。係争中の問題だと名言しているのだし。サイトでもリリースしているのだし(参照)、それ以上のことを、「個人的見解」でも発信すべきではなかった。

 twitterの難しいところは、個人での発言でも、「公」と「私」があって、それが曖昧になりがちだ、ということ。
 畠山氏のツイートを見ると、畠山氏個人としてのツイートなのか、「自由報道協会広報」としてのツイートなのか、判然としないことが多い。
 あと、敢えて厳しくいうと、「意味のない」反応ツイートが多すぎる。広報対応として不要な反応だし、個人としても不誠実な印象を与えるだけで、何のいいこともない。例えば下記のツイート。

ではどうしましょう。 RT @yamabug: 現状のままは良くないでしょ? RT @hatakezo: 延命してはまずいのでしょうか。 RT @yamabug: がっかりですね。記者クラブに延命の理由を与えちゃう。RT @parsleymood: 自由報道協会、もう一刻も早く幕
http://twitter.com/#!/hatakezo/status/132354487993106432

 念の為に記しておくと、相手されている山口哲一氏は音楽事務所社長で日本音楽制作者連盟理事をされていらっしゃる方なんだけど。禅問答のような対応しちゃっていいのかな? いいわけないでしょ!
 
 私がはてぶで「自由報道協会は幕引いた方がいい」と述べたのは、この協会を運営にリソースを割くことで、中のひと達が本来のジャーナリスト・ライター活動に支障をきたしているのが外野からも分かるから。それって本末転倒すぎる。畠山氏とか、明らかに「広報」の対応に疲れていらっしゃるみたいだし。
 ついでに言うと、訂正をせずにこっそりと記事を直すのは、最近の新聞サイトでもやっていることだけど、見ている人はちゃんと見ているので、「訂正しましたごめんなさい」と正直に謝るべきだよね。

 話が逸れた。
 いずれにしても、公私問わず、何らかの問題に巻き込まれた場合、個人のtwitterでも「オフィシャルモード」でツイートすること。うかつにリプライに反応しないこと。事態が明らかになるまでは、係争事項に関するツイートは控えること。出来ればツイート自体を控えること。

 上記のことが、最低限のルールとして広報の危機管理が浸透すれば、揉め事も延焼せずに済むのでは、と思う次第です。

『奇刊クリルタイ6.0』付録「せいへきかるた」

 11月3日の文学フリマで、面白集団『クリルタイ』は新刊『奇刊クリルタイ6.0』を頒布いたしました。結果的に好評だったようで、企画・編集担当としてはほっとしております。
 詳細については、こちらをご参照頂くとして。Amazonでの予約もはじまっておりますので、是非よろしくお願いいたします。

奇刊クリルタイ6.0
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 さて。今回の文フリでは付録として、「せいへきかるた」を『6.0』お買い上げの方にもれなく配布いたしました。ちなみに通販・委託書店で付けるかは未定です。冬コミに当選しているので、そちらでは多分配布することになると思います。

 絵札は左から、成瀬ノンノウ女史、Ray女史、横田沙夜女史の作品。

 左が絵葉書屋長崎堂・長崎頼子女史、右がぴすどり氏の作品です。

 そして、裏面は蒼鬼ハル女史に担当して頂きました。

 この「せいへきかるた」、文字通り「性癖」について書かれたカルタ、です。
 まず文学フリマ常連の文芸クラスタの方を中心とした15名の方に文字札を考えて頂きました。その後で、絵札を5名の絵描きさんにParsleyが個別にお願いして、お描き頂きました。「文字札のことばに合わせてイメージを膨らませてお描きください」と、なんとも曖昧なオーダーをしたので、皆様お困りになられたとは思います。
 しかし、ご覧のように、見事にテーマを皆様なり解釈して頂いて、素敵な作品をお描き頂きました。
 お買い上げ頂いた方はもちろん、文字札を考えて頂いた皆様、そしてこのエントリーをご覧の方にも、「絵描きさんってスゴい!」と感じて頂けたならば、とても嬉しいです。
 逆に、絵をお描き頂いた皆様に、「文学やっている人たちちょっと面白いかも」と少しでも思って貰えたとすれば。企画者冥利に尽きます。 

 この「せいへきかるた」は、観賞用としても実際に遊ぶことも出来ますが、ひとつ謎かけもしています。それは、文字札を誰が書いたのか、私Parsley以外は知らない、ということです。これは墓場まで持っていきます。
 それでも、文字札の担当の一覧を付けたのは、「もしかしてあの人がこんな性癖を持っているのかも」と見た人に想像して楽しんでもらうためです。あと、書き手により自由に表現してもらうために、あえてどの札を書いたのか明示しない、ということにしました。

 このようにいろいろな趣向を凝らしたこの企画、半ば私Parsleyのわがままでやらせてもらいました。そのわがままを許してくれたrepublic1963編集長をはじめとするクリルタイメンバーにも感謝です。
 そして、快く「せいへき」を垣間見える文字札をお考え頂いた15名の皆様、素敵な作品をお描き頂いた6名の皆様に、改めて御礼いたします。

 この「せいへきかるた」、このままで終わらすには、名残惜しい気持ちが、私の中にはあります。
 今回は15組の札ですが、さらに加えて…そうだな、「せいへきかるた48」として、48組の「性癖」を並べてみたらどうなるだろう?
 
 商品化というところも視野に入れつつ、ブンガクとアートを「性癖」で結ぶプロダクトを続けていきたい。今はそう考えています。その実現に向けて、いろいろ暗躍してみるつもりです。

 今回「せいへきかるた」を入手した方は、是非とも『クリルタイ』twitterアカウントまでご感想を寄せて頂けると嬉しいです。
 また、ご興味のある方は私までご連絡下さいませ。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。