破滅加速/再生企図

 2010年も、皆様のおかげをもちまして、こうしてエントリーを書いております。あまり更新頻度が高くなかったにもかかわらず、ご覧頂いた読者の方々に感謝申し上げます。

 思えば、自分ひとりでミニコミ誌を作ってみたり(『箱[HA-KO]』、まだまだ在庫ありますのでよろしくです!)、大臣会見に出席したり、ラジオに出演したり(お誘いくださった中川大地様に感謝!)、アルバムの帯にメッセージを寄せさせて頂いたり(フレネシ様の『メルヘン』名盤です!)、新しいことにチャレンジすることが出来た一年だった。
 と、同時に、3月には勤めていた広告企画会社を会社都合で退職して以降、転職活動に連戦連敗する苦しい日々が続いた一年でもあった。
 「じぶん結構イケているじゃん」と「やっぱり自分だめだわー」との間を忙しく往復するような毎日は精神的に相当しんどかったけれど、まぁ、これもそれも2011年に生かしてこそなんだろうなーと思うことにします。
 ま、世間的にも、自分的にも、来年は破滅へ加速していって、その次にどう再生していくか、考える年になるの、かもね。

 あと、クリルタイの活動もいろいろ別の局面を迎えた一年だったような気がする。
 来年もイベントをしてみたり、サイトを立ち上げたり、いろいろ企画中なので、是非ともお見逃しなく!!
 というか、今年発表した『奇刊クリルタイ5.0』『増刊クリルタイ「Dorj」』、ともにAmazonで販売していますので、未入手の方は是非!!

 そんなこんなで。
 私にとっても、皆々様にとっても、どうか2011年がよい年でありますように!

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AKB48はデフレカルチャーの象徴か?

 田中秀臣先生の『AKB48の経済学』、とても楽しく読んだ。特に第5章の「アイドルグループの経済分析」が面白い。「集団化によるリスク分散」や「アイドルの会社組織化」といった論考は興味深かった。何より、「パッケージ売りとバラ売りの経済的論考」で比喩として用いるのが、「ファン田中・ファン池田・ファン山形」とあるところにはニヤリとさせられた。
 また、アイドルがTV中心としたスターから身近な「小さな物語」へと変容しているといった指摘など、さまざまな示唆に富んでいる。経済に興味のあるひとは一読の価値ありでしょう。

 ただ。アイドル好きの方々からは、嵐のようなツッコミが入りそうな部分も散見されたので、韓リフ先生にはまだまだこの世界のことやファン心理について勉強してもらわなきゃ、と感じたのも正直なところ。
 まず、ファンとの距離を近くする、という戦術は2000年代に入ってから、グラビアアイドルの商品がDVDやトレーディングカードになるに連れ、秋葉原・神保町の店舗でのイベントが定着したもの(本書は「地下アイドル」という言葉が数度出てくるがもしかして韓リフ先生は混同しているのかもしれない)。AKB48はその流れに沿って常設の劇場を秋葉原ドンキホーテの上に置いた、と言うべきだ。
 そして、消費の形式も、グラドルとAKB48は一緒だ。複数枚購入する客への特典を豪華にする、というのはグラドルの店舗イベントの常套手段だが、AKBの場合でもファンがCDを多数枚購入することを促す戦術を取っている。
 AKBの劇場が開設当初入場料が破格だったことはおっしゃる通りだが、その後に出たライブDVDなどはBOXだと市価で6000~7000円はするし、CDもシングルで1500円前後、アルバムは3000円前後と、他のアーティストと大差ない。繰り返すが、これを複数購入することを促すシステムになっている。あえていうなら、コアなファンは市場原理主義の中で、新自由主義経済そのものの戦いを繰り広げている、というわけだ。その象徴が、総選挙で1位になった大島優子なのではないだろうか?

 本書では、テレビや雑誌のグラビアでAKB48を見てお金を払わずに消費する層と、好きなメンバーを人気投票で上位にするためには同じCDを何百枚も買うことを厭わない層を、「ファン」の一言で一緒くたにしてしまっている。
 前者の視点からすれば、お金を払わずに「心の消費」をする。ここでの中心は、テレビ。『ミュージックステーション』がその典型だが、個人的には音楽バラエティー、特に『うたばん』が与えた影響は多大だったように思える。一万字インタビューを読まずとも、トークの内容からアーティストの「素顔」を見たような気にさせられ、親近感を抱く、という作用が働いている。
 このようなコンテンツで、「好き」になったり「癒し」を感じたりするライトな層は、お金のない10代の学生や、30代の主婦層だ。
 しかし。こういった「無料経済」を下支えするのには、番組のスポンサーだったり、誤解を恐れずに敢えて挙げればレコード会社の買占めなどがあったりしたわけだ。それが効かなくなり、AKB48が登場した2000年代中ごろからコアなユーザーを引きつける「インセンティブ」の設計にシフトしていく。
 アイドルが高年齢化している、という話がちらりと出てくるが、同時にコアファンも高年齢化している。たぶん、AKBに湯水のようにお金を落としている層は30~40歳代で、彼らが20代の頃は別の何かにお金を落としていたと推察される。

 Parsleyならば、AKB48に限らないアイドルファンの経済構造と格差社会をリンクさせるだろう。また、別の見方をすれば「フリーミアム」で説明ができるかもしれない。つまり、こじつけようと思えば何とでも出来る気がするのだけれども。
 いくら韓リフ先生でも、「デフレ」とAKB48を結びつけるのは、牽強付会が過ぎるんじゃないかしら、というのが個人的な感想になるなぁ。

 でも、繰り返しになるけれど本書が面白いことには変わりがない。文化・社会といった部分に若干斜に構えた上で、「A
KB48と大相撲が日本型雇用である」といった指摘に膝を打ちつつ読む、といった読み方をオススメしたい。


『クリルタイ5.0』&『箱[HA-KO]』冬コミ頒布情報

 先日第11回文学フリマで発表した『奇刊クリルタイ5.0』ですが、『マジレス!』様のご厚意でコミックマーケット79にて委託販売させて頂けることになりました。

 ■日付・ブース
 12月31日(木) 東ホール P-10b

 また、東京のカルチャーシーンの最先端を行く、アニソン・ボカロDJバーMOGRA、男の娘バーMEW TYPE、BLマンガカフェcafe801をフィーチャーしたミニコミ誌『箱[HA-KO]』(目次はこちら)も、撮影を担当して頂いたすいづたくみ様のブースでの委託販売が決定しました。当日は私Parsleyも売り子として参加させて頂きます。

 ■日付・ブース
 12月31日(木) 東ホール ヒ-05b

 当日は、文学フリマ大交流会で配布したシンガーソングアニメーター・フレネシ女史のインタビューを掲載したフリーペーパー『奇刊クリルタイ5.0.1』を持って行くかも?

 いずれにしても、コミケにお越しの戦士の皆様方は、是非ともお立ち寄り下さいませ。よろしくお願い申し上げます。

『新約聖書』と佐藤優氏のキリスト教観

新約聖書 1 (文春新書 774)
佐藤優・解説
文藝春秋
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 献本を頂きました。新約聖書を通読するのは、かれこれ15年ぶりだろうか。その機会を得られたことには素直に感謝したい。ありがとうございます。

 本書は、日本語訳として一番普及している日本聖書協会新共同訳(カトリック・プロテスタント両神学者が共同で翻訳したもの)が採用されている。「序文にかえて」の冒頭で、解説を担当している佐藤優氏は「宗教に関心を持っていない標準的な日本人に読んでもらうために本書を書いた」とある。それだけに、一番影響力のある翻訳を採用すべき、というこだわりが、底本の選択に影響を与えている。
 佐藤氏のキリスト教観は、解説の随所に出てくる。例えば、一神教は不寛容だという話は、「一神教の本質を理解していない議論と私は考える」と述べている。キリスト教徒にとって重要なのは、私(個人)と神の関係、だという。「キリスト教が侵略的性質を帯びるのは、キリスト教会が特定の文化や国家と宗教を同一視する誘惑に陥ったときだけだ」と記す。つまり、人々が紛争・テロといった過激な手段に走る理由を、宗教的要因ではなく、政治的・社会的要因に求めるべきだ、と主張する。個人的には、イスラム原理主義や北米におけるプロテスタント系ファンダメンタリストたちを見ると、手放しで首肯しかねるけれど、一つの見解として説得力を有するのは間違いないように感じる。

 「私の聖書論」で、「目に見えないもの」をつかむのが宗教、というくだりがある。ここで、ユング心理学が登場する。意識下にある自我(エゴ)と、無意識下にある自己(セルフ)。聖書を読むことによって、この後者の部分が刺激される、というのだ。これは、「神の国」によって人間が救済される、ということを、繰り返し「たとえ」を用いて反語的にディフォルメして伝えるイエスの姿と重なる。「心に訴える」=「無意識に響かせる」言葉の力が、新約聖書の本質だと佐藤氏は指摘する。
 だが、この長い解説で面白いのは、実は聖書から離れた部分にある。柄谷行人氏の『世界史の構造』のことを「宗教には癒しの力があることを人間の側から解明している、21世紀の宗教論」として、「存在論」的に資本主義社会の存立基盤を解明しようとしている、としている。
 「存在論」と対置する言葉が、「情勢論」になる。この例えに用いているのが、現況の政治課題である消費税率引き上げ論だったり、米海兵隊普天間基地移転問題。そして、菅直人現首相の「最小不幸社会」という政治哲学が、「特定の思想とか主義に強い思い入れのない人間」のため、すべて情勢論で判断している、と分析している。逆に小泉純一郎元総理のことを「国民の集合的無意識を引き出した、見えない世界に働きかける宗教的能力をもった宰相」と記している。
 もうお気づきの方もいらっしゃるだろうが、ここで現世の政治家の信条やユング心理学を持ち出したことは、イエスが「たとえ」を用いて神の救済の意志を伝えた構図とニアイコールになっている。ここが、読み物として一番スリリングな部分で、「聖書を読むべき理由」というメタ構造に対して、そのような論理立てをする佐藤氏の知見に対して若干の畏れを感じつつも賞賛せざるを得ない。

 さらに読み進めると、佐藤氏がプロテスタント教会にて洗礼を受けるまでの軌跡が語られるのだが、ここでは割愛する。ご興味を持たれた方が、それぞれにお読みになって、何かをお感じになればいいと思う。

新約聖書 2 (文春新書)
佐藤 優・解説
文藝春秋
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はじめての宗教論 右巻~見えない世界の逆襲 (生活人新書) (生活人新書 308)
佐藤 優
日本放送出版協会
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『30日で人生を変える「続ける」習慣』を読んだ。

30日で人生を変える 「続ける」習慣
古川 武士
日本実業出版社
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 献本頂きました。ありがとうございます。

 Parsleyは、何かを継続的にすることが苦手。まともに続いているのって、このblogとかtwitterとかぐらいじゃないのだろうか? 生活も不規則だし、会社を辞めてからは仕事のオン/オフがあやふやになっていった。気まぐれでイレギュラーな事態を好む傾向もあって、「続ける」習慣とはほど遠いところにある。

 本書では、何かを「続ける」ためには「習慣化」する力を身につけることだと強調している。そして、習慣化するためには、反発期(1日~7日)/不安定期(8日~21日)/倦怠期(22日~30日)によって対策を講じる方策について、丁寧に指南する。
 「三日坊主」と言うように、多くの人(42%)が挫折するという反発期には、「とにかく続けること」に力点を置き、ベビーステップ(小さく)で始めること、シンプルに記録すること、この二点を対策として、この期間を乗り切ることを勧めている。

 本書に関しては、まず何かを継続して続けることによって起こる「良いこと」を例に出し、各時期の傾向と対策を示し、最後に再び「習慣化」に成功した「物語」を6つ挙げるというように構成されている。「習慣化」すれば良いことずくめ、と読者に納得させ、行動を喚起させるだけの説得力のある構成で、「あぁ何かはじめてみようかな」という気にさせられるだけの力がある。著者の話の持っていき方はさすが「習慣化コンサルト」を名乗るだけのことはあるなーと思ったし、編集もお見事だと素直に思った。

 ただ、Parsley個人のことを言うと、「記録する」というのが結構なハードルになっていて、毎回そこで挫折している。いつも面倒になって自分でも気づかないうちに止めてしまうのだが、そこに対する有効な方策は記されていなかった。シンプルに記述するように心がけているんだけどなぁ。

 あと、一番最後に、「禁煙」をするプロセスが書かれているのだけれど、「止める」ことを「習慣」にするのは何か一つのことを定着させるよりも、一層難しく思えるので、ちょっと本書で記されている原則にストーリーを合わせることが前提になっていて、若干違和感を覚えた。
 個人的にはそれまで続いていた習慣が突然止めてしまう、といったケースが多いので、そのあたりの言及も欲しかった。習慣を止めるプロセスの解明といったことを本にするだけの需要があるかどうか分からないけれど、著者の続作に期待したいところだ。

 というか、個人的に古川先生のところ(公式サイト)に相談した方がいいのかしら…。ちょっと検討してみよっと。

「景気対策」と「世論調査」のギャップ

ユニクロ型デフレと国家破産 (文春新書)
浜 矩子
文藝春秋
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 エコノミストの浜矩子女史の『ユニクロ型デフレと国家破産』、もうだいぶ前に献本頂いたのに、なかなか取り上げることが出来なかった。現在のデフレを「ユニクロ型」と定義付け、消費者や経営者の心理を「自分さえよければ病」と記すあたりに乗れないな、と感じたというのもあるのだけれど、何よりもデフレや「国債ショック」に対する明確な処方箋が語られていなかった、というところが、本書を紹介しづらかった、という一番の理由になる。



 それを敢えて今このタイミングで挙げたのは、本書が出版された6月までに「デフレ問題」を政治課題としてアジェンダ設定をしようといろいろな方々が尽力されていたが、下半期ではそういう動きはパタリと止まったよなーと思ったから。

 まず、昨年に菅直人現首相にインフレターゲット政策のプレゼンをした張本人の勝間和代女史が『自分をデフレ化しない方法』を今年の2月に上梓し、それより少し前に上念司氏が『デフレと円高の何が「悪」か』を刊行。本書と同時期にも藻谷浩介氏の『デフレの正体-経済は「人口の波」で動く-』が発表されている。

 つまり、6月までに「デフレ」を冠する新書は4冊刊行されているのだが、下半期はゼロ。

 念のために記しておくと、この間に抜本的な対策が講じられて需要ギャップが解消された、というわけではない。



 ちょっと視点を変えて、国民の「景気対策」への関心を見てみることにする。内閣府が6月に実施した世論調査によると、「政府に対する要望」のうち、「景気対策」を挙げた者は69.3%だという。(参照

 「Yahoo!みんなの政治」内での「あなたがいま最も気になる政治テーマは?」を見ると、「景気/雇用対策」が約35%~50%の間を推移し、関心事として常にトップを保っている。



 しかし。大手新聞各社の世論調査を見ると、経済政策に関する設問自体がなくなっている場合があるのだ。

 具体的には、朝日新聞日経新聞なのだけど。かといって、他の新聞社が経済政策に関して詳細なリサーチをしているわけではなく、読売新聞の場合テンプレのように「菅内閣は今の経済情勢に適切に対応しているか」という設問を用意しているのみになっている。(参照



 鳩山内閣から菅内閣への政権交代後、参議院議員選挙、民主党代表選挙、尖閣諸島領有権問題といったところに目が向けられ、ネットではWikiLeaksの創設者ジュリアン・アサンジ氏の性的暴行容疑での拘束や東京都の青少年条例に関心が向きがちになっている。

 これらの問題が、瑣末な事項だと言うつもりはもちろんない。

 ないけれど、経済対策に関心を寄せるサイレント・マジョリティの声に耳を傾けずに、別の話題を持ち出して関心を別の方面に向けようとしているかのような大手レガシーメディアの姿勢には、若干の疑念を覚えざるを得ないというのが、個人的な感触だったりする。

 それとも、もしかして、今の各メディアの担当者には現在の経済情勢に「対応」する能力に欠いているから取り上げないのでは、とより深刻な疑惑さえ感じるのだけど、それはここで精査するのは避けて、もう少し時間をかけて検証してみる必要がありそうだ。


『PS』1月号を読んだ。

 表紙は北川景子。これまで硬質な美女というイメージだったのだが、いい意味で裏切られたというか、柔らかくなった感じ。スタイリストの寄森久美子女史のセンスに拠るところが大きいのかもしれない。

 今号で気になったのは、クリスマスに合わせた「彼プレ」企画と、付録の猫柄バックをコラボしているFRAPBOISの記事広告が、どちらもユニセックス/ジェンダーレスをテーマにしていたこと。ほかにも「男のコと一緒に♪PS」という企画で、アイテムの取替えが提案されている。こういった傾向は乙女男子なParsleyからしてみれば大歓迎。女子でボーイッシュするなら下北沢でアメカジな古着探すといいと思うし、男子は普通にレディス着ればいいと思う。そういう自由が、今の東京という街を象徴しているのだ! …という話はまた別の機会に。

 あと、有名人50名を集めた「”ゆるカワ”スタイル」特集。一番最初に蒼井優が挙がるのは当然として、太田莉菜が結婚後久しぶりに誌面に登場(35P)。綾野剛(33P)、『天装戦隊ゴセイジャー』アラタ役の千葉雄大(38P)の二人が男性タレントとして起用されている。あと、40Pに坂本真綾が!! ファンならひと目チェックして損はないでしょう。

 アイテムは、44Pのゆるニットは紹介されているの全部ほしい、というのと51Pのグラデーションニットワンピは17850円と値が張るけれど手に入れたいという感じで、物欲を喚起させられた。
 キーワードでは、足元のレイヤードの特集で「ネオ森ガール」という言葉が登場!! ファーバンド+ジャガード柄タイツ+サボという組み合わせ。んー他に付けるネーミングがなかったから付けた感が…(苦笑)。

 裏カラーでは菊池亜希子を起用した「かわいい着物道」。普段着感覚で着物を着る、というコンセプトは買える。敢えて地味に見られがちな配色を選択しているけれど、帯の色合いや柄が上品だったり、マフラーや帽子、傘などの小物と合わせたり、難易度は超高い。これだけさらりと着こなせたらすごいなぁ。

 恒例企画のPSモデルのプライベートBOOK。あっこや河北麻友子、宮本りえという常連さんたちの中でも、カラオケに「あんまり行かない」、マンガは「読まないかも」、ペットを「飼ってないよ」という入夏の存在感が光っていた。それから、愛読しているマンガに由貴香織里先生の『天使禁猟区』を挙げて、X-JAPANにハマっているという秋元梢とは一度お茶してみたいです(笑)。

溶解する音楽の垣根とコミュニティ&マネタイズ

 ちょっと旧聞になるのだけれど、『左隣のラスプーチン』様と『奇刊クリルタイ』がコラボで『3M』という刊行物を出させて頂いた中に、『同人音楽コミュニティの「ウチ」と「外界」』という拙文を寄稿させて頂いた。(参照
 要約すると、「同人音楽の中にも質の高いサークルも沢山あるけれど、ニコ動やM3といった音楽イベントの居心地のよさがネックで”外”に出ずにいるところもあるんじゃない?中にはまつきあゆむ氏みたいに自分レーベルとかやっているひともいらっしゃるし、自分達のポテンシャルを低くみているんじゃないの?」といった内容で、ひょっとすると読まれた方の不興を買ったかもしれない。すいません、ぺこり。

 Parsleyが思うのは、日本の音楽シーンはメジャー/インディーズ/同人音楽という.枠組みに分かれていたけれど、この境界は徐々に崩れていって、最終的には全てのアーティストがフラットにリスナーの前に対置されるようになるだろう、ということ。
 そうなると、これまでの文脈とは全然違ったところからヒット作(という言葉自体もう適当でないのだけど)が生まれてくる可能性が高く、二次元イラストなどを積極的にイメージに使っている同人音楽サイドには、既存レーベルなどよりチャンスが広がっているように感じる。
 と、なると、あとは音楽を広げていくコミュニティの形成とマネタイズの戦略なのだけど。それは、津田大介氏・牧村憲一氏の『未来型サバイバル音楽論』に概論は記されている。また、MySpacetwitterUSTREAMの利用法や音楽著作権の詳細などはリットーミュージックの『ネットとライブで自分の曲を売る方法』に詳しい。どちらも音楽をやっている方ならば必読の書だろう。

 両書ではあまり触れられていなかったことを付け加えると、もう既にアーティストとリスナーはニアイコールというところまで接近している、ということ。
 ニコニコ動画で起こっているのは、あるアーティストが初音ミクのオリジナル作品を上げたとして、そこにあるひとがアニメーションをつけたバージョンが誕生して、コメント職人がやってくるようになり、誰かが「歌ってみた」カテゴリーで新たな動画をアップする、ということだ。つまり、ある作品を核にしたコミュニティが形成され、作品がコミュニティとともに育てられていく。そこでは、リスナーも「能動的」で、何らかの「生産活動」を知らず知らずのうちに行っている。
 そういったコミュニティ内で作り上げられた「作品」が誰のものか。現状はボランタリーベースだから問題にはなっていないが、お金が絡むようになった場合はどうなるのか。

 また、私などはUSTでのDJの盛り上がりを見たりMOGRAなどに出入りしていていたりすると、現在の音楽著作権に縛られた楽曲=アーティストほど、損をするのではないか、と感じざるをえない。テレビ・ラジオに認められている音源を事前の許諾なしに使える権利がネットのライブメディア-USTやニコニコ生放送などーにも拡大されるのか、それとも形骸化されていくのか。私は後者になる可能性が高いような気がするけれど、いずれにしても変容していかざるを得ないだろう。

 文中でも触れられているが、「一人一レーベル」といっても何でも自分でやるのではなく、例えばグッズなどデザイナーの連携したり、ミニコミなどと共同でコンテンツを作ったり、いくつかのサークルで共同でイベントをしたり、いろいろなコラボレーションで、うまくコミュニティを広げていき、そこに集まっているひとから広く薄くお金を頂く、といった流れが進んでいくことになるのではないか。
 津田氏は「ワクワクしている」とおっしゃっているけれど、私のような木っ端な存在でも出来ることいっぱいあるよね、と感じて凄く面白いことになるんじゃないかなーと期待する次第。
 とりあえず、いつだってお金はないけれど。アイディアはEvernoteにいっぱい溜め込んで。

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文学フリマ大交流会&トークセッションのお知らせ

 【11月26日13:30・記】

 面白サークル『クリルタイ』では、前回の第10回文学フリマにて、出展者・来場者の方々の親睦を深めて頂くために、大交流会を企画させて頂きました。(参照
 幸い、多くの方々にご来場頂きまして、おおむね好評のうちに開催することが出来ました。
 つきましては、今回は「主催:クリルタイ・共催:文学フリマ事務局」ということで、再び大交流会・実施します!!
 私ことParsleyは、全般的なコーディネートを担当させて頂くことになりました。楽しい集いにしたいと思っておりますので、文フリに出店される方、来場される方におかれましては、是非ともご参加して頂ければ幸いです!

 開催日—–2010年12月5日(日)
 開催場所–大田区産業プラザPIO 4階 コンベンションホール
 開場時間–17:30
 開始時間–18:00
 終了時間–21:30
 会費——–お一人様 3,000円

 もう既に文フリ公式サイトでご参加者のお申し込みを開始しております。
 ご参加される方はこちらのフォームからお申し込み下さい。お申し込み後、24時間以内に折り返しメールを差し上げます。
 上手く送れない場合・メール返信のない場合は、 parsleymood@gmail.com まで直接ご連絡下さいませ。よろしくお願い申しあげます。
 尚、当日飛び入りでのご参加も可能ですが、ご参加の方の人数を把握させて頂きたいので、なるべくお申し込み頂けますと助かります。 

 そして!今回の目玉は、会場の一角で実施するトークセッションです!!
 全部で三部構成で、ご登壇される方は下記になります。

 第一部「発想の自由な作品、復活に向けて」 18:30頃開始

 【パネラー】
 松永 英明 (@kotono8エ-35
 山田 亮太 (TOLTAエ-32
 胡子 (胡子寫眞実験室M-13

 第二部「気鋭のミニコミ・メディアのこれから」 19:15頃開始

 【パネラー】
 西田 亮介 (.reviewア-01
 武田 俊  (KAI-YOUア-02
 羽田 恭一郎 (MAJIRES!ア-05

 第三部「文学フリマの今後」 20:00頃開始

 【パネラー】
 望月 倫彦 (文学フリマ事務局代表
 円堂都司昭 (探偵小説研究会U-02
 川端 康史 (Inside OutQ-04
 republic1963 (奇刊クリルタイ編集長エ-14

 (以上、敬称略)

 どうでしょう? じぶんで企画しておいて言うのも何ですが、超豪華パネラー陣です!!
 お酒も飲めてごはん食べれて、興味深いトークも繰り広げられるであろう、文学フリマ大交流会&トークセッション、是非ともお誘いあわせの上、ご参加下さいませ!!

 【12月4日16:00追記】

 トークセッションですが、『ケツダンポトフ』様にダダ漏れUST中継をして頂けることになりました!
 遠方の方でも視聴できますので、よろしくお願い申し上げます。

 交流会の会場の一角にゲームを遊べるブースをご用意いたします。トランプ×2、6ニムト、ボーナンザ、ワードバスケットの予定です。さっくり遊べるゲームで、パーティー気分を満喫できればと思っております。(持込も大歓迎です♪)

 また、秋葉原のアニソン・ボカロDJバーMOGRAでゲーソンDJとして名を馳せるMasao氏によるプレイも聴けますので、お楽しみに!
 会場は、下記のような感じになります。わりとゆったりとした空間になると思いますので、皆様お誘い合わせの上ご来場下さいませ!!