日本のネットは「残念」なままでいいし「大人」もいらない

 今北産業ではありますが、覚え書き程度に。

 あえて挑発的なことを書くならば、今の日本で「インテリ」や「エスタブ」と位置づけられている人達の中で、Webのコミュニティに「降りて」きて「議論」をする価値がある方って、具体的に誰になるのか、まったく思いつかない。日本のインテリゲンジャなんて、その程度なんじゃない?
 双方向で思考をぶつけ合って一つのテーマに対する共通認識なりベースが出来る能力がある「上の人」なんて、一体どこにいるんだろう。私の知る限り、ある程度の「名」のある方がネット上で展開しているのは、単なる「情報戦」であって、エントリーやコメント欄で展開されているものは、本質的には「議論」ではなく、もっと政治的な何かだ。
 簡単に言って、彼らが属しているコミュニティは、第二次大戦下もしくは戦後初期に構築された社会システムに適応し形成されている。そのシステムが、我々の世代まで維持し続けることが出来るのか、どうにも怪しい。そして、ネットの普及によって、いちばん最初に崩れだしたのが、「知性を評価する仕組み」だろう。
 情報公開が進んで統計等が、自宅のPCから簡単に調べられるようになった現在において、どれだけ博覧強記を誇ってもGoogle先生には敵わない。必然的に比重が「知識」から「論考」へとシフトしている。研究室に篭もって論文を書き上げる労を採らなくても、自説を世に問うことが可能になった。その結果、これまでのラインからは登場しなかったような人が、論壇に現れるようになっている。
 その変化に気付かない人達が「残念」と評したところで、何の痛痒も感じる必要もない。むしろ、理解されないことを誇るべきとさえ思う。もし、「大人」が理解を示そうとしたならば、そこに何らかのインセンティブを得られるという政治的な判断が働いたと判断すべきだ。警戒されたし。

 で、『ガ島通信』様の記事。

 日本のネットで本当に残念なこと 「梅田発言」の波紋 インターネット-最新ニュース:IT-PLUS

 日経IT-PLUSという媒体でお書きになられたということは、ある程度「大人」=中高年を意識された内容で、ネットユーザーもっと言うとはてなブックマーカーなどノー眼中なのだろうけれど。既存のシステムがクラッシュする前に逃げ切れる世代が、パラダイムの変化に理解を示すことを期待するのは難しいよね、というのが率直な感想になるかな。
 確かに、このままいけばmixiや楽天が第二第三のライブドア事件に発展する懸念はあるけれど。繰り返しになるが、既存の社会システムの継承が望み薄な私たちの世代からしてみれば、何度潰されようが、新しいアーキテクチャの構築を図り続けなければならない。そこでコンクリフトがおこるのはむしろ当然。となると、既存のものよりも生産的かつ効率的なモデルを早いところ作ったもの勝ちなのではないか。そこに「大人」の顔色を伺う余裕など、ありはしないでしょう。

 たぶん世代間の落差を埋めることに手間暇をかけるくらいならば、彼らの想像を超える速さと深さで、Web社会を現実の社会と融合させてしまうしかない。そういった覚悟が、そろそろ必要になっているんじゃないかなーと感じているのだけど、どんなものでしょうね。

 
 

追悼・三沢光晴

 ノア、いや、レスラーはガチというのを、こういう形で証明するのであれば、ヤオと言われている方が百倍よかった。

 実近で観た三沢さんの試合で、衝撃を受けたのは、2006年12月の武道館でのGHCヘビーの丸藤正道戦(参考)だったか。丸藤がウラカンラナで切り替えして場外に落ち、カウント16でリングに戻ってからの彼は、「ゾンビ」の二つ名に相応しい闘いを見せた。対戦相手の技を全て受けると、むっくりと起き上がり、タイガードライバー85をコーナーから発射し、最後は有無を言わさぬ雪崩式エメラルドフロウジョン。丸藤からベルトを奪取し、「世代の壁」の厚さをこれでもかと示した。あの時の戦慄と鳥肌を、私は昨日のことのように思い出す。
 思えば、「ゾンビ三沢」が降臨したのは、あの試合が最後、ということになるな。

 地方興行を行うプロレス団体において、社長兼レスラーは激務を強いられる。三沢さんもそうだが、全日本の武藤敬司社長や、DDTの高木三四郎大社長、TAKAみちのくK-DOJO代表などは、プロモーターとの接待などリング外での営業に奔走し、その上でリングではメイン級のタフな試合をこなさなければならない。あまりこのような言い方はしたくないが、地方巡業の、レスラーの”名”に頼るカード編成が、必要以上にトップレスラー達を蝕んでいる現状は見逃せないところだろう。
 ノアは、選手層が厚くなったこともあり、去年の秋ごろより巡業のメンバーを選抜してベテランを休ませるようにしてきた。それでも、トップである三沢さんや、小橋、秋山といったところは、プロモーターの要望や集客面を考えると、休めない。

 「客は衰えている俺を観に来ている」とは武藤の言葉だが、これはほんとうに至言だ。全盛期に比べてお腹に明らかに肉がついて、セントーンなんかを相手に見舞う三沢さんの姿に若干失望をしつつも、変わらないエルボーの威力に酔いしれる。
 仮にもプロレスファンなら、その衰えているところも含めて、彼らがリングで闘う様を見続ける義務がある、と思っていた。そして、その姿を受け止めるべきだと。 いつか、彼がリングからいなくなる日が来るとは思っていた。その日までは見届ける必要があると考えていた。
 それが、このような結末になるなんて。
 だがしかし。闘って、闘って、闘い続けて、リングの中で倒れるというのは、実に三沢さんらしい、とも思う。

 簡単には癒えることのない傷を受けた斉藤彰俊のことを思う。当日、新日本の会場にいたであろう、菊池毅のことを思う。柱を失った、箱舟の選手たちの顔を思い浮かべる。心中、察するに余りあるが、どうか、闘いをやめないでもらいたい。私も、プロレスを観ることをやめないし、ずっとあなたたちを応援しています。

 最後に。三沢さん。これまでほんとうにありがとうございました。ゆっくり休んでください。

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『CREA』のネットショップガイドが面白かった

 普段はざっと立ち読みで済ませるところなのだけれど、海外を含めたネットショップの事情が知りたいなーと思って買って読んでみた。
 各ブランドのショップやアクセサリーの特集をふんふんと読み進めてページをめくっていたら…。



 「賢人・佐々木俊尚さん」に思わずポカリスエット吹きました。
 検索のコツとして、複数キーワード検索(アイテム名に「送料」を入れると効率が上がる、など)を駆使することや、お気に入りのサイトはRSSリーダーで最新情報をチェック、といった、ビギナー向けに噛み砕いた説明をしていた。次ページには、クチコミの真偽の見極め方として、スタッフの「顔」が見える、というのを挙げていた。
 『CREA』の読者層がどれだけのリテラシーがあるのかは分からないのだけど、こういった特集が組まれるということはネットショップが増えているし、利用することもだんだん日常化してきて、より失敗しないショッピング法やトラブルの回避といった情報の希求が強くなっている、ということなのだろう。

 さらに読み進めていくと…『メイドカフェならぬ”メイドネット”で快適電脳生活』という特集が。gooからだログCOOKPADおそうじ専科なんかはいいとして。
 ウェブで集めた情報をうまく整理するために、というのに、はてなブックマークが真っ先に取り上げられていたのには、再度ポカリ吹いた。

『PS』7月号を読んだ

 表紙は、今年二回目の宮崎あおい。Easton Pearsonのワンピースがお姫様っぽくて思わず見惚れた。たぶん、こういった柄/布地(ぎりぎりラインが映らない薄さ)の服は彼女以上に似合うひとはいないんじゃないか。
 中グラビアの「ゆかたで下町散歩」も、彼女のファンなら必見かと。白地に藍染めの撫子柄のゆかたが素敵!!

 今号は他にも栗山千明サマのUNIQLOブラトップ(まだ未見の方はこちらを観るべし)のCM撮影現場レポートが掲載されていたりして、おトクな一冊。

 お得といえば、巻頭で、「U¥3,000で探しました かわインナー集合」という特集を組んでいるように、紹介されているアイテムの価格帯が、ぐんと下がっている。他のページのスタイリングでも、例えばワンピースは2万円台だけれども、インナーや帽子・ストールといった小物は4~5千円台と、一点豪華主義にシフトしつつある。もちろん景況感の影響もあるのだろうけれど、量販店の(デザイン的な)質の向上が大きい。消費者は「より安く!」といった流れにずっと前からなっていたところに、ようやく追いついてきた感じ。

 巻末には、鎌倉・江ノ電特集。”歴ドル”美甘子女史のワクがあったり、吉田秋生『海街diary』の紹介があったり、多角的で好感がもてた。あーあ、鎌倉高校前駅のベンチでぼーっと海を眺めたくなってきたなー。