『ネットで人生、変りましたか?』を読んでみた。

ネットで人生、変わりましたか?
岡田 有花 ITmedia News
ソフトバンククリエイティブ (2007/06/01)
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5 まるでタイムマシンのような一冊

 ご存知、IT戦士こと岡田有花女史の取材集。
 あちこちで語られていることだけど、とにかく本の作りが丁寧できめ細かい。記事の後に「コメント」が寄せられ、記事への著者本人の思い入れもパッケージされている。こういった共感を呼ぶ手法にはほんとうに長けているよなぁ。
 ただ。はてなやmixiといった企業が傾きはじめた時にどんな記事を送り出すかでこのひとの真価が問われるだろうな、という予感を覚えたのも、このコメント欄。
 プロレスマスコミの衰えがプロレス業界の衰えに先んじたのは、あまりにもプレイヤーサイドに寄り添いすぎて読者の信が離れたからだ。彼女に限らず、ITを扱うライターさんたちが、似たような道を歩まなければいいけれど、とふと思った。

 それと。当たり前だけど、この本に取り上げている記事が、彼女の”仕事”の全てではない、ということは再確認する必要があるだろう。
 個人的には、この本の趣旨からは外れるために掲載されなかった記事(例えば『「mixi読み逃げ」ってダメなの?』とか)に、彼女の我や芯といったマテリアルな部分が散見している、ような気がする。
 IT戦士の「作られた」クリスマスは、それはそれでネタとして見事に「芸」の粋まで達しているけれど、parsleyとしては、『Twitterって何が面白いの?』って素直すぎる程素直に表明してしちゃている記事たちも紙に「保存」して欲しいなぁ、とちょっとだけ思ってしまった。

今ここで、小田光康氏に問うてみたいこと

 ライブドアPJニュースに掲載された、例のサンダーバード事件に関して物議を醸した記者の記事が再度採用されている。(参照

 内容は論外のひと言。個人のブログに書いてろよと悪態を付きたくなる。
 が、彼のような書き手の場合、発信力のある媒体に寄生して己の発言を高めているという快感を追求しているから、個人での発信は意味を成さないのだろう。上昇意欲を満たす、あるいは自己顕示の手段としてこういったメディアを選んでいるので、匿名ではなく積極的に実名を出すのも、彼らからしてみれば当然のことのように感じられる。
 PJニュースやオーマイニュースのような市民参加型投稿メディアは、このようなタイプの記者を排除するのは極めて難しい。

 だが。掲載前には、必ずチェックが入るはず。
 つまり、今回の記事も、PJ編集部、というか小田光康氏の判断で掲載している、ということになる。
 周知のように、ライブドア・ニュース・パブリック・ジャーナリスト規約によると、「PJニュースならびに、ライブドアは、パブリック・ジャーナリストの取材報道に関する事項の責任を一切負わない」とある(第六条4)。だから、くだんの記事の内容の責任は池野徹氏にある。
 同時に、「PJニュース、ライブドア・ニュースの目的や規約と照らし合わせてニュースの価値判断をし、掲載、不掲載を決める」とある(第9条2)。
 くだんの記事も、「客観的な検証過程の規律に支えられ、正確かつフェア精神に則って」おり、「正確で公共性を帯び、かつ言論空間の活性化を可能にする言論」であり、「誤報道や正当な理由もなく名誉を傷つけ」てはおらず、「パブリック・ジャーナリストとしての品格と節度」が保たれた記事だと、PJ編集部、というか小田光康氏が判断したから掲載されている、ということになる。
 さて、この判断の是非に対する責任は何処にあるのだろうか??
 紙媒体ならば、編集長の責任、ということになるのではと思うのだけれど。

 今回、2年前の小田氏へ佐々木俊尚氏がインタビューした記事を読み返してみた。(参照
 佐々木氏は、当時からPJ記事のクオリティの低さについて、かなりこだわって問いただしていた。

佐々木 (前略)でも私としては相変わらず疑問に残っているのは、そうやってこれからPJの記事が増えていったら、本当にクオリティが上がるのかどうか。本当は量の問題じゃなくて、実はあなたの編集に限界があるなど、PJに内在する問題がある可能性だってある。もしそうだったら、PJの記事が増え続けても、愚にもつかない記事が増えるばかりで、質のいいメディアになっていかない可能性もあるんじゃないかと思うのですが。

小田 それは仮定の話ですよね。どういうふうに転がっていくのかは、実は僕もよくわからないところがあるんです。(後略)

 どうも、仮定の話が現実になってしまっているし、質のいいメディアになっていない理由の一つは「編集」にあると考えるのが自然だと思うのですが。そのあたりの見解を是非お聞かせ頂きたいですね。

 ちなみに。文責は筆者に帰するにも関わらず記事の著作権は有し、編集権に対するリスクを回避し、結局は責任の所在をあいまいにしていることが、ライブドアPJニュースひいてはネットメディアの稚拙さを浮き彫りにしていると、個人的には考えています。

『スンダリ』Vol.2を買ってみた。

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 「魂が歓喜するスピリチュアル・ヒーリングマガジン」。これまで存在さえ知らなかったのだけど、ちょこちょこ広告を東横線沿線で見かけるようになって気になってはいた。それだけなら立ち読みで済ますのだけど、ヘンリー・ダーガーの塗り絵が付録ということで、つい買ってしまった。

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『被害妄想彼氏』の意外なフレーズに脳が揺さぶられた件

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 gotanda6様の「ケータイ小説ノススメ」に触発されてまったく予備知識のないままチョイス。
 この作品は第一回日本ケータイ小説大賞審査員特別賞受賞作。フツーの(常に自分にツッコミを入れる)女子高生真知子と、スゴクイケメンだがプリクラに撮られると魂が吸い取られると信じている超被害妄想の彼氏・修司のラブコメディ。紆余曲折もありつつ高校卒業を機に結婚、という何の変哲もない(ありえない)ストーリーだが、力技としか言いようがない設定と次から次へと襲い掛かる唐突すぎる展開が、主人公と読者をふりまわす。

 (以下ネタバレ注意)

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ソーシャルメディアという醒めない夢

 ちょっと前にtomozo3様が「ソーシャルニュースは終わった\(^o^)/」とおっしゃっていたけれど。有史以来日本では、市民参加型メディアも含めて、成功したモデルはまだ現れていない、と言っていいだろう。
 とはいえ、Yahooは2007年に入ってからソーシャル化の動きを早めている。Yahooニュースに「みんなの感想」が実装されたのを皮切りに、Yahooブックマークの刷新「ネタりか」の公開、検索結果にブックマーク登録人数表示を開始というふうに来ている。

 そういった流れを踏まえた上で、梅田望夫氏と伊藤直也氏というはてなの中枢が「ネットイナゴ」という言葉に敢えて触れたことは注目に値する。

 ・『最近つくづく思うこと』
 ・『はてなブックマークのコミュニティについて』

 彼らの発言は、はてなブックマークをよりソーシャルメディア志向に舵を切るための観測気球のように私には見えるのだけど、意地が悪いかな? 
 たぶん、池田信夫氏の「ネットイナゴ」を巡る騒動がどうこうという以前に、「メディア」として見れるように外見をよくすることを模索していたんじゃないかな、と思えるのだけど。
 もっと言うと、運営側にとってはコミュニティが荒れることが問題なのではなくて、荒れたコミュニティが可視化されていることによりメディアとしての信用が下がることの方が問題なのではないだろうか?

 今後、オプションとしては、モデレーション機能の付加(『真夜中は別の人』様のエントリー参照)や、ブックマーカーや収集サイトを限定化(『踊る新聞屋』様のエントリー参照)が考えられる。が、どちらにしても「メディア」としての色彩を強くするのであれば、コミュニケーション手段として利用しているユーザーとの衝突は避けられないだろう。

 いずれにしても、はてながどのような結論を出すのか、興味津々。繰り返しになるけれど、日本においてソーシャルメディアで成功したモデルはまだ現れていない。
 

ベイクドメレンゲ作ってみた。

 プリンを作ると卵白が余ってもったいないので、食べさしのグラノーラを混ぜて作ってみた。

 ■材料
 卵白 2個分
 砂糖 約80g
 グラノーラ たぶん100gくらい
 シナモン粉 少々

 ①ボールに卵白を入れ、泡立てる。
 ②砂糖を三回に分けて加え、角が立つまでかたく泡立てる。
 ③シナモン粉、グラノーラを入れて混ぜる。
 ④耐熱容器に入れ、160℃のオーブンで約40分焼く。
 

「罵倒芸」問題の拡散具合についてのメモ

 拙エントリーでも取り上げた一連の「罵倒芸」問題が、いい具合に拡散しつつあるので、メモ。

 ひとまず、kanose様の下記のエントリーを起点として考える。

 『罵倒を芸風とかキャラクターだとして容認する場こそが問題』

 kanose様は、Marco11様とのやり取りを受けて、二つエントリーを重ねている。

 『Marco11さんへ』
 『罵倒表現の問題ではなく、罵倒、時には脅迫的言動を駆使する相手と対話できるか?というのが問題』

 リンク先やコメント欄を含めて拝読した個人的な感想は、Marco11様って訴訟マターを持ち出して脅迫、っていうのをするひとだったんだ、という以上でも以下でもない。彼も撤退戦に入っているみたいだし、芸とか表現とか対話の可否とか、そういったことはもうどうでもいいや☆

 むしろ注目したいのは、yomoyomo様が『ブロガーの行動規範、はやはり無理なのだろうか』というエントリーでキャシー・シエラ脅迫事件と今回の事例とを結びつけ、ブロガーの行動規範を絡めた論考を進めていること。
 しかも、このエントリーのはてなブックマーク、初っ端が梅田望夫氏であるということは特筆しておいていいだろう。
 yomoyomo様はrepublic1963様のエントリーを引きつつ、行動規範をブログ間の関係に適用しようとするのは難しいとし、下記のように結んでいる。

 しかし、ブログ対ブログまで拡張された場における言葉の暴力に対して、自分が第三者の場合、どういう事例でどこまで介在していくべきなのか考えても自分の中で答えは出ないし、「ブロガーの行動規範」が広く共有されることはないのだろうなと思ったりした。

 私も、行動規範が広まるとはとても思えない。けれど、そこで話を終わらせてしまって本当にいいの?という問いを打ち消すことも出来ないでいる。どうすればいいのでしょうね。

 他方、小倉秀夫氏がこの騒動を横目にしてか、Webにおける誹謗中傷問題やトラックバック・コメント欄の運用問題に言及したエントリーを上げている。
 『ブログ主にスルー力を求めることのコスト』では、「梅田望夫さんがどんなに煽っても、日本ではWeb2.0って、情報サービスとしてはあまり成功していないのです」と皮肉っぽく述べていらっしゃって笑ったけれど、一連のダークサイドに堕ちつつある展開について一言でもコメント欲しいなぁと私も思ってしまう。
 『「多少のコストを覚悟」させたら優秀な書き手は逃げてしまう』にある、「こんなブロゴスフィアじゃいつまで経っても専門家の参入もなく高度な議論もないよ」というエクスキューズは、専門家の知見があるという前提となっている。
 長い目で見ると、知見をクローズして抱えることで速度に優るオープン側に瞬殺されてしまう可能性を考えれば、クローズすることが得策とも思えないのだけど、現状では「出てこない」方がお得なのかも。逆に言えば、「専門家」がWebに出てこないファクターは、損得の一点に集約されるんじゃないかなぁというのが、外野の感想になる。

 そんなこんなで。今回の事件は、思いのほか多方面に波紋を投げかけている。もうちょっと頑張れば、さらに大物の登場もあり得るかもなので、皆様の奮励を期待します。私? 私は週末に作るプリンをどうするか考えます。

『AERA』を久しぶりに読んでみた。

 普段はほとんど読まない『AERA』を買ってみよう、と思ったのは、中吊り広告。
 と、いっても、下オビのさぶいコピーを見て、ではない。『野田聖子「離婚の真相」』という特集の中に、「佐藤ゆかり議員」という文字が躍っているだけでなく、「雇用保険記録も消えた」の末尾に「片山さつき逆ギレ」とあるのに興味をそそられた。いや、お上手です。

 岐阜一区で火花を散らす二人については、どうしても好奇が先立つ。野田議員もおそらくそれは承知の上で、このような言葉を残している。

 どうみても不正常な状態なのに見て見ぬ振りをしている執行部はひどい。私もしんどいけど彼女にしてみれば、武部(勤前自民党幹事長)に騙された。野田はもう戻らないって言うのも信じたら、復党しちゃって詐欺ですよ。同情します。復党後初めて自民党の議席に座った日、彼女と握手して「お互いつらいよね」と話しかけたら、うなずいていた。

 まぁ、一言一句突っ込みたい気持ちはやまやまだけど。
 なんというか、彼女のことを支援するおじいさま方の気持ちが、少しは分かるというか。変に子供っぽい隙にもフォーカスしたこの記事が掲載されたのは、彼女にとって間違いなくプラスだろう。そういえば、このひと県議から衆院選に出て落選たり、けっこう泥水を啜っていたな。

 片山さつき議員と、厚生労働省の不祥事と何の関係が? ‥と思っていたが、自民党広報局長で例の年金問題ビラの作成責任者だったのか。
 「なんでこんなに批判されないといけないんだろう」というのは、国民の批判ではなく、党内の批判という文脈を受けたもののよう。党三役や参院最高幹部にまで決裁とったじゃないですか、というのが彼女の言い分。確かに憮然とした写真が載っているものの、「逆ギレ」という程ではない(笑)。

 それにしても。中カラー面に高級腕時計の記事広告が約30ページもあったのには驚いた。女性向けの特集が続いていたのにもかかわらず、男モノのドレスウォッチにクロノグラフが多く、レディスは3ページのみだった。ま、いい商売ですね。

 「働く女のリアルラブ調査」は、いろいろ面白いデータが載っていたので、エントリーを改めて考えてみたい。

罵倒が芸風のキャラに絡まれた時どーするか問題

 kanose様の「罵倒を芸風とかキャラクターだとして容認する場こそが問題」を拝読して。

 罵倒が芸風のキャラに絡まれた時の対応法は、大まかに3つ方策があるのでは、と思う。

 ① 華麗にスルーする
 ② とりあえずレスポンスする
 ③ おおごとにしてみる

 一見、①が無難なようにも思えるけれど、相手が延々と絡み続ける可能性が高く、相手が明らかに攻撃性を持って臨んでいた場合はグーグル様の誤認を招く事態に繋がりかねない。
 コメントするなり言及エントリーを返す②は、手軽だし、自分の主張を明らかにすることにより、正当性を第三者に判断してもらおうという欲求は満たされる。が、相手と同じ土俵に乗ってしまうことでもあるし、ROM読者からは同じ穴のむじなと見られる危険が伴う。
 根本的な解決=クリティカルな打撃を与えるなら③。具体的にはグーグル様やプロバイダーに言いつけるとか、影響力のあるひとに言及してもらって火に油を注ぐとか(笑)。しかし、とにかく面倒。ネタとして消化出来るだけの手間暇をかける余裕のあるひとだけに許される。 

 そんなわけで、parsleyの結論。
 現在のシステムでは、罵倒が芸風のDQNキャラが一方的に有利だ。相手に影響を及ぼしたもん勝ち、というか。 
 そういった人が、ネットだけにとどまらない影響をもたらす可能性が出てきた場合の対応は、随分前から課題だと思うのだけれど、ネットサービス運営側や影響力のある方々はこのあたり後回しにし続けているような印象を個人的には持っている。
 どこかで、取り返しのつかない事態にならないといいけれど。