『QJ』「総力特集グラビアアイドル」を今更読んでみた

クイック・ジャパン (Vol.68) クイック・ジャパン (Vol.68)

太田出版 2006-10
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 既に『エロ本編集者の憂鬱と希望』様が、雑誌産業の構造と世代という切り口から見事な分析をなさっていて(参照)、遅きに失した感ありありだけど、『クイックジャパン』Vol.68のグラビアアイドル特集について、私もうだうだ記してみようと思う。

 グラビアアイドルを支えているのが青年コミック誌と週刊誌の読者層で、トップアイドルの高齢化は読者層が変わらないから、というのはまさしくその通り。
 ただ、ジュニアアイドルを愛好している層も、やはり「団塊ジュニア」層が中心だったりする。これは、『死に忘れましたわ』様が指摘されているように(参照)、経済力の問題が大きい。写真集(3000円前後)&DVD(4000円前後)のイベントに参加するため秋葉原や神保町まで来る交通費を捻出出来る層は、20代後半~30代独身男性が中心にならざるを得ない。
 …と、ここまで書いてみて、この特集が、そういったコアな層を相手にしてはいない、ということに気づいた。問題にしているのは「マス」に対するグラビア。あくまで、「見る」対象と「見られる」対象を、「見せる」側の視点から描かれた企画、なのだ。

 そういった意味では、「トップ写真家五人が語る、グラビアアイドル論」は重要な文献。やっぱりこの方々が「時代」を作ってきたんだ、と再認識させられる。逆に言えば、現在一番勢いがあるグラビアアイドルでも「世間的にイマイチ」なのは、写真家の感性が時代から外れてきたからだとも思うけれども。山岸伸氏が安田成美のオーラと秋葉原のイベントを対比し、野村誠一氏が制作側の「堕落」を語るのに、ちょっとムッとしたのは確かです(笑)。

 個人的なトンデモ見解だけど、カメラ目線で作られた表情をしたピンナップは、被写体を化粧品カタログの広告写真と同列に扱っている。マスを相手にした週刊誌の表紙は、未だにそういう文脈上にある。
 そんな中、「恋写」に代表されるような、写真家とアイドルとのパーソナルな関係を強調するような作品が世に出るにつれ、ファンの視線が、「みんなの○○」から「ボクだけの○○」へと変化していったのではないか? それが高じて、「素」の部分を掘り起こす作業を見るだけでは飽き足らない人が現れて、アイドルのファンのコア化が進んでいったのでは?

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風船が後楽園ホールに降り立つまでのメモ

 2chは随分前からだけど、mixiやYouTubeなども、ネガティブ面がクローズアップされることが多い昨今。で、私も尻馬に乗りたいところはやまやまなのだけど、今日は水面下ではこんな使われ方をしている、ということを記しておきたい。

 10月22日のDDTプロレス後楽園大会に、アメリカンバルーンという選手が初来日した。リンク先の画像をご覧になれば瞭然、見事な巨乳の持ち主デス。
 翌日付のデイリースポーツには、「“おっぱい攻撃男”衝撃日本デビュー」という見出しが踊った。

 DDT「Daydream believer 2006」(22日・後楽園ホール)、新日本ロス道場所属で、体重150キロ、バスト120のGカップという“巨乳男”アメリカンバルーンが衝撃の日本デビュー。自称「ケンドーカシンの秘蔵っ子」は、おっぱい張り手など胸を駆使した攻撃で男色ディーノを翻ろうし、最後はコーナートップからの月面水爆で日本初勝利。

 上記の記事や、水曜日に発売されるプロレス専門誌を見ると、イロモノの部分ばかり取り上げられがちなのは仕方がないところだろう。が、目撃者としてはベリートゥベリーにスープレックス、フィニッシュのムーンサルトはインパクトありすぎだったことを強調しておきたい。
 余談だが、この日は一部で話題の”無気力ファイター”真琴アイスリボンのビラ配りに来場していた。そういう試合外の部分も含めて、個人的にはオイシイ興行だった。

 もう一つ。メディアで書かれていないのは、リングネームをコールされる前に「マグマメイツ」と添えられた意味だ。ここには、2chからmixi、ブログ、それにYouTubeまで絡んだ彼がリングに上がるまでの過程が込められていて、大げさに言えばプロレスにとどまらず新しいプロモーション(ブッキング/ストーリーテーリング)のモデルケースになり得る事例だと思う。

 話は、9月21日にまで遡る。
 2chプロレス板のwjスレ(長州力が立ち上げた団体で既に消滅しているのだが、実質的に総合スレとして機能している)に、質問が寄せられる。(参照

912 名前:お前名無しだろ 投稿日:2006/09/21(木) 14:34:13 ID:GjjCFTIM0
 では質問。
 ずっとアメリカンバルーン選手(新日本・ロス道場所属)と連絡をとってた者なんだが
 彼から「日本の団体に出たい、試合に出たい」と連絡が入ったのですよ。
 どこの団体でも構わないとのこと。
 彼にお奨めの団体はどこだろうか?(DDTあたり?)
 そしてこういうときオレはどうすればいいのだろうか(スイミングアイ)。
 エージェントやってくれとか冗談で頼まれたけど、無理無理!!

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職業人がブログを記すといふこと

 皆様のおかげをもちまして、今日『添え物』は2周年を迎えました。
 愚にもつかぬ言葉をだらだらと垂れ流しているだけにも関わらず、思いもよらぬ方々に目をかけて頂いていることに感謝するとともに、今後とも拙blogを何卒よしなにお願いする次第です。

 といいつつ、私parsleyは節目の時になると憂鬱さんになる性分(笑)。
 今日も、このblogのこれからと、私のオシゴトのこれからを考えて、アンニュイになっているという次第なわけですよ。

 ちょうど、徳力基彦氏の「日本では、やっぱり大企業でブログを書くのは難しいのか?」というエントリーを拝読して、仕事の内容を外に出す意味について考え込まされた。正直、個人あるいは会社にとって、メリットがあるのは宣伝・広報面に限られるし、宣伝・広報面で利用するにしてもリスクは少なくないだろう。
 にも関わらず、個人で発信を続けている職業人の方は、何らかに事情を打破する必要があるか、もの好きかのどちらかなんじゃないかな、と失礼ながら思う。
 
 あと。『404 Blog Not Found』様の「プロが正論にのぼせ上がってしまうと始末に負えない」と、それに反応したotsune様の記事を読んで、個々人の有するスキルの発露とモラルとをない交ぜにするのはどうかなぁと感じざるを得なかったのだけど、結局のところ、書くことにメリットがあれば書くしなければ書かないというところに落ち着くんじゃないだろうか。
 
 で、私の場合。たとえほのめかしでも、それなりに緊張しつつ、オシゴト絡みのことを書く場合、どちらになるのか、自分では分からなかったりする。
 この業界の行く末に関して、思うところはいろいろあるのだけれど。 

いただきました


 烏鹿庵様に折り紙を頂きました。ほんとは、catfrog様へだったみたいなんですけど、横取りしちゃいました。感激。ありがとうございます!
 

今、AV「作品」に必要なもの

 くそー咳が止まらず眠れねーよ。で、仕方なしにPCの前で張り付いていると、某AV監督が自作についての批評に異を唱えている文章に出くわして頭を抱えることに。うわぁ‥コメント出来ねぇ…。リンク張るのもやめとこ…。

 しかし、大塚英志氏がいう文学のサプリメント化(『更新期の文学』)と同様に、アダルト作品も「ヌク」ことに機能を限定されたものばかりが氾濫している状況は、「作家性」を求めて制作しているひとたちからして見れば、面白くない状況だよなぁと思う。
 結局、今の市場って、テンプレ化したものしか売れない。逆に言えばテンプレ化に成功したメーカーが成功しているわけだけど、そうなると監督の味つけなど全く不必要なのですよ。女優と男優を入れ替えて同じような絡みを組み立てるか、「コスプレ」「乱交」「野外」などあらかじめ用意された台本に当てはめるかさえすればいいのだから。
 そんなものが面白いのか、と問われれば、個人的には面白くないです、と答えるしかない。けれど、「ヌク」ためのサプリであればいいというのが、市場=ユーザーからの評価なのだ。

 成人向けの書籍・雑誌が厳しい状況なのは、コンビニでのシール張りの規制もさることながら、上記のようなAV界の流れを受けてエロにデティールを求める層が減少していることも大きいのではないか、と個人的には思っている。同じヌクにしても、3分でヌキたい、みたいな(笑)。
 つまるところ、制作者も編集者も労働者であることを強いられているのだけれど、それに抗うためには何らかの方法論が必要とされる。で、今のところは、ユーザーの評価は目をつぶって琴線の近いもの同士が共依存の関係を築くというものが主流ということになるのかな?
 執筆する側にしても、どこで誰が絡むかという事実の羅列よりも、テンプレから外れたという事実を書いた方が記事にしやすい。制作側としては、そういったフォロアーを囲い込むほうがユーザーと向き合うよりもずっと楽だし。
 ま、監督にしろライターにしろ、それが許される立場/構造でいるのは間違いないところでもあるのだけど。DVD/刊行物の結果(売上)が出ないうちにギャラは貰えるわけだし。作品の不出来の始末をするのは、彼らを選んだ側だし、神学論でクネクネしていていられるのも当然と言えば当然だ。
 だから、彼らにとって問題なのは、「作品」が彼らの望むような評価を得られなかった場合、ということになるかな。で、現状ではそういう状況に直面する機会が往々にして存在する。くだんのテキストは、これに上手く適応出来ずにいる典型のように私には思われた。

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「みどりいろのおとすかげ」

 10月9日、原宿・K.S.GALLERYに樋口裕子(ヒグチユウコ)女史の個展「みどりいろのおとすかげ」を観賞しに行って参りました。(参照

 個展名にあるように、明るい色調で描かれる動植物の先に見える「影」が、カエルと並ぶもう一つの主題として浮かび上がってくる。直線を排除したやわらかい線で描かれているだけに、余計に闇の深さが際立ってドキリとさせられた。

 作品群は、Web上でも生息しているカエルのほかに、カタツムリが沢山!! ご自身にお聞きしたところ、以前にご自宅で飼っていたとのこと。
 ちなみに、ネコが登場するのは一作品のみだが、これが力作でした。

 現在は色鉛筆での作品が主ということで、ギャラリー内でも新作に取り掛かりはじめている模様。最終日の15日までには完成しているのかな? キャンパスがみどりとかげに彩られていく様子を観に行くのも楽しいかもです。

オマニ日本版が残した教訓 ③

 『オーマイニュース』日本版で、かなりアツい展開が繰り広げられていた『「死ぬ死ぬ詐欺・まとめサイト」の卑劣さを考える』という記事。内容はともかく、このような隙のある文章をアップし続けることで、アクセスを繋いでいくしかないよなぁ今のオマニは。
 と、思ったら、筆者の音羽理史氏は、『オオツカダッシュ』のトニオ様だったのね(参照はこちらのコメント欄)。ともかく、ご壮健で何よりです。
 
 それにしても、「祭り」にしろ「炎上」にしろ、アクセスを稼げるテキストを提供出来る人材というのは、2chでもblogでも「市民ジャーナリズム」でもあまり変わっていないんじゃないかな、という気はすごくする。何らかな形で、コミュニティから転進する必要性に駆られた方が、別の居場所・手段を確保して発信していき続ける、という感じ? 
 サイト運営側から見れば、火種になる可能性もあるが、有力なコンテンツをも提供してくれる彼みたいな方とうまく付き合っていくことに細心の注意を払うべきだろう。テキストを書いている本人にとってそれがいいのかはまた別の問題になるだろうけれど。

 『オーマイ創刊後1ヶ月を振り返って』 を寄稿されている矢山禎昭氏も、ご自身のblogツカサネット新聞で積極的な活動をされている方のよう。
 個人的には、ほとんど同じような内容の情報を、別の媒体で発信するというのはどーなの、と思うし、そういった記事を載せてしまうのも微妙に感じるが、ひとまずそれは置いておく。
 掲載された記事は、多くの市民記者の方々のスタンスを代弁しているように感じられた。が、もしそうならば、このメディアの浮沈は悲観せざるを得ないだろうな。
 
 まず。彼はオーマイニュース成功には「ネットのヘビーユーザーでない、普通の人」に読んでもらうことにかかっている、と記しているのだけど、「普通の人」こそ、ファクトで事が足りていてオピニオンなど不要のものと捉えているというあたりが抜けている。YahooNewsに掲載されていないニュースは「普通の人」層からはないものと考えて差し支えない。「自らの経験と人生観にもとづいて書いたもの」に価値を求めるのは、執筆者の事情に過ぎない。つまり、前提となっている想定読者層を見誤っている。

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女性ファッション誌の「ジャーナル」

 parsleyの知る限り、女性ファッション誌批評をやっているブロガーはそれほどいないような気がしている。雑誌なんて読み捨て、批評をするに値しない、なのかもしれないけれど。なんとなく、いつも思わず口にするツッコミは具現化しておいた方がいいような気が、個人的にはしている。
 そんなこんなで、今月も『PS』をくさしてみようと思います。

PS (ピーエス) 2006年 11月号 [雑誌] PS (ピーエス) 2006年 11月号 [雑誌]

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 表紙は小西真奈美。今月21日よりロードショーの『天使の卵』のパブ込み。雑誌・モデルともに頑張った感が漂っているのは否めない。モヘアニットはカワイイけど。

 今月号は、「なるほど THE PSジャーナル」という特集が組まれている。前サブに編集者の年齢が推測される(?)。項目は、以下の6つで、それぞれに1ページずつ割いている。

 『電話代、損していませんか?』
 『ず~っとふたりでいられますように
 『人間はなぜ、汗をかきたがるのか?』
 『ますます白熱する「シャンプー」から目が離せない!』
 『明るい未来計画始めましょう♪』
 『ダリ、生誕100年めに想う』

 前半の4Pはオーソドックスだが、5つめに「身近な政治」をテーマに早稲田大学政治経済学部の久米郁男教授と3人の女子大生(東大・早稲田・法政)が座談会をするという内容が掲載されている。
 開かれたのは9月ということで、自民党総裁選についても語っているのだが、これが悶絶モノ。

 「安倍さんって、話の核がうやむやでよくわからない。私は谷垣さんが好き。(中略)自分に不利なことを言うから信頼できます」
 「私も谷垣さん。景気が回復しつつあるから、外交問題に強い人がこれからはいいと思う」
 「私は、麻生さんがいいな。意外と漫画好きっていう人柄が好きなんだよね」


 安倍さん、ここでは支持率ゼロ(笑)。
 あと気になったのが、久米教授が起業について「法律が改善されて、会社を立ち上げやすい環境になったが、リスクは高く、成功例はあまりない」というのに、

 「なるほど。でも、フリーターよりは、失敗しても起業するほうが魅力的。仕事に情熱をもっていたいよね」

 と、返されていること。しかも、これが全体の〆なのだ。なんだかなぁ。

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無料ほど強いものはなし

 例のmixiご開帳画像の件で、感想を述べるとするならば、「無料エロ>有料エロ」だなぁということかな。あと、主に女性において、このあたりの感覚がカスケードしていくのかしないのか。もしするならば、過渡期の事件として消費されるだけの存在だろう。しないならば、一つのWebサービスの存亡がかかるだろう。
 個人的には、前者を取りたいところだけど。

 今、有料エロの前線に身を置いているものとして、もろもろ真剣にお悩み中です。各方面にご迷惑を掛ける、あるいはもう掛けているという話もあるかもです。すいません&ありがとうございます。

『IT田みつほバトン』が回ってきた

 『404 Blog Not Found』様発の『IT田みつほバトン』がここまでやってきたので、謹んでやってみた。

 ■参考■
 はてなブックマーク :404 Blog Not Found:IT田みつほバトン

 アクセス、PV、わんわんわん。

べ、別に誰かのために書いているわけじゃないんだからね!

ネタも意欲もなくなれば。

『量産型ブログ』様には多謝、多謝です。

そんなこんなで、これで結句ということで…。