売っているのは「紙」です。

 ちょっと前に、『花を売らない花売り娘の物語』という、奇妙な本を読んだ。
 内容は、マーケティングに関してのあれやこれやで、旧聞から外れることもなく、お金を落としたことへの後悔がなきにしもあらずだった。どうしてこんな本を出版することができるのか、そのからくりの方が知りたいところだな、とさえ思った。
 最近のこのテの本は、抽象論に終始しすぎている。まぁ、具体的な事例ならばネットを漁ればいくらでもあるので、情報の受けての側に立つとそれほど困ることもないのだろうけれど。
 いわゆる「ハウツー本」の市場がどのタイミングで縮小するのか。その際に出版・書籍流通業界に劇的な変化が起こるのではないかと、個人的には考えている。

 そんなわけで、私にとってあまり身のある読書とはならなかったわけだが、「花屋が売っているのは、花ではなく感動だ」という言葉は、哂って捨て去るのはなぜか躊躇われた。
 どんな生業であれ、買い手は心に響くものにお金を落としている、というのが筆者の主張は正論だ。

 雑誌屋の立場からすれば「売っているのは紙です」と堂々言うけれど(笑)。

 テキストにお金落とす価値のあるものなんて、今や数えるほどしかないだろうし。こういった本が出ることによって、「感動」のありかが埋もれてしまっている本屋さんの現状とか考えると、アイロニーを感じなくもないしなぁ(笑)。

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happiness?

 調子悪くて眠れない夜。誰かが禅問答をしているのが、耳の奥で響いているような気がする時がある。
 最近キーワードでよく出てくるのは、「しあわせ」って何? …ということ。
 いや、parsley自身が感じる幸福感とかはどうでもよくて。「このひとは幸福というものをどこに置いているのかな?」とふと思うことが多くなった。もっと言うと、そういうことを考えることを止めてしまっているように感じなくもなく、多少のフラストレーションを覚えてもいた。

 そんなことをとりとめもなく考えていて、ふと年明け早々に観に行った『大水木しげる展』に何も触れずじまいだったことに気づいた。
 私は熱心な水木しげる読みではないと思うけれど、「どうしたら幸せになれるのか」という問いに「気づいたら幸せになっていました」と答えることができる水木しげるのことは大好きだ…というのが感想になるのかな。

 そういえば、私のそういう言外の問いにちゃんと答えてくれたひともいたなぁ。
 それが誰かは、ここでは記せないけれど。

 普段、目回るような時間の費やし方をしているだけに、体調に不安のあるときくらい、メタメタなことを考える贅沢をしてもいいでしょ、と誰かに甘えたい。
 

この冬の風邪

 かなりしぶとい。
 私の場合、まず咽喉が破壊されて、次に間接が痛くなり、熱が出る…という順番だった。
 いつもなら無理矢理一日で治すのだけど、なかなか手強いようで。

 皆様も、どうかご自愛を。

今見えるセカイは、淡色。

 こんな世界が来るなら、温暖化も悪くないかもしれない。
 彼の色使いを目にするたびに、そんな不謹慎なことを考えていた。

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 私は、ずっと彼の作品のヒロインたちになりたかった
 「惚れた」のではなく、「憧れ」。
 たぶん、セカイの法則に対して、無意識のうちに諦めを抱きつつ、分秒を消費していく姿に、己を重ね合わせている部分があるのだろう。
 今でも、落ち込んだ日には、彼の色と、彼女達に、無性に逢いたくなるときがある。

 そんなこんなで、思うところがあって、スキン変えてみましたのご挨拶。
 
 

円グラフとメーター論リターンズ

 某所での往復書簡を盗み見して、「オトコ目線とオンナ目線は交錯するけれども重なり合わない」という感想を持った。
 で、なんで重なり合わないのか、ということをこのblogをはじめた頃に書いたことがあったことを思い出した。読み返すとものすごく稚拙な文で赤面ものだが、根底の部分で私の考えは変わっていないので、恥は書き捨てということで再掲してみる。

 「円グラフ」と「メーター」論①
 「円グラフ」と「メーター」論②
 「円グラフ」と「メーター」論③

 これから書こうかどうしようかと思案している「恋愛/非恋愛」論のプロトタイプがコレかなぁ、と。そして、さらに先には、『高度に成長した経済がさらに成長するためには「家族」とか「カップル」という単位を複数持つことを選択せざるを得ないのか?』という仮説というか、疑惑が待っている。
 なんだか私の手には余りそうだし、ほんとうはこんなエントリー上げている場合じゃないので、脳内に留まる可能性も大ではあるけれど、まずは自分メモということで…。

 

赤の冷静×青のぬくもり

 公開最終日に滑り込みでヴィヴィアン・ウェストウッド展を鑑賞しに行ってきた。
 覚悟していたけれど、どう見てもアパレル系のおねえさんとか、服飾系専門学校通ってますって感じの3人組とか、お約束のかぷーるとかで凄い混雑だった。いろいろと激しく後悔。

 服飾系の展示でいつも思うのは、実際に布地に触れないこと。いや、ものすごく無茶なことを言っているのは分かるんだけど、服って「厚い/薄い」とか「軽い/重い」とかを肌で体感できてこそじゃない? 今回もなんだか豪勢な料理を前にしておあずけを食らっている気分になった。
 あとは、同じ映像を二箇所で流すのどうよ、とか、カタログ8400円は高すぎとか、運営側に消費者的に無責任に文句言いたいことは結構あるかもという展示だった。
 
 で、肝心のヴィヴィアン。 

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第三回東京ブロガーカンファレンス、雑感、雑想、その他

 冷たい冬の雨に包まれた1月14日。第三回東京ブロガーカンファレンスにお呼ばれして、都内某所の『404 Blog Not Found』様宅にお邪魔しました(参照先はこちらこちら)。

 到着してすぐに、日本刀を振り回したひとに追い回されて、よく状況がつかめぬまま、多分10回くらい殺されました(笑)。
 持ち込んだパイは、皆様に好評で嬉しかった。実は生地が冷凍の出来合いのものだったんだけど…。今度は時間作って、ちゃんと生地から作りたいと思う。

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メタ、メタメタ。あるいはある日のはてなブックマーク

 『Letter from Yochomachi』様の「NHK:豪雪の被害がたいへん……でも、なんであんなところに人が住む?」が物議を醸していた。

 案の上はてブのコメントがとんでもないことに。

 NHK:豪雪の被害がたいへん……でも、なんであんなところに人が住む?

 コメント欄にはアルファブロガーやアルファブックマーカーの名も連ねており、まさに壮観。
 私などがぶくましていいのかどうか、気後れするほどだったので、ブックマークの方をぶくましておいた。

 はてなブックマーク – NHK:豪雪の被害がたいへん……でも、なんであんなところに人が住む?

 でも、こっちもあっという間にブックマーカーの数が増えていく。
 そりゃ「ソーシャル」だから仕方がないよなぁなんだけど、なんだかなぁ感も覚えたので、さらに逃げようと、メタメタぶくましようと考えた。

 はてなブックマーク – はてなブックマーク – NHK:豪雪の被害がたいへん……でも、なんであんなところに人が住む?

 やっぱり同じようなこと考える方いらっしゃるんですねーと思った。

 はてな界隈は、今日も騒がしいけれど平和だ。
 

「スタイル」がなきゃ意味ないね

 私が小西康陽というひとが好きな理由。それは、『「カワイイ」「カッコいい」「オシャレ」ってどういうこと?』という問いに、いつだって明確に答えてくれるから。
 そして、それが「ファッション」じゃなくて「スタイル」だということを、教えてくれるからだ。

 例えば、『Little Miss Jazz & Jive goes around the world』からは、ボーカリストakikoのカッコカワイさと、1940~50年代に黒人の間で流行したダンスミュージックであるジャンプ&ジャイヴのオシャレさが、存分に伝わってくる。
 なにせ、一曲目から『スウィングしなけりゃ意味ないね』だもん。そのスピード感溢れるグルーヴ感は、古くて新しい。こういったスタイルを違和感なくポンっと今の音楽シーンに紛れ込ませてしまうのが、小西さんの凄さだよなぁ。

リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ
akiko


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