動画をテキスト化することの重要性

決闘 ネット「光の道」革命 (文春新書)
孫 正義 佐々木 俊尚
文藝春秋
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 献本を頂きました。ありがとうございます。

 本書は、2010年5月13日にUSTREAMおよびニコニコ動画で生中継された、孫正義ソフトバンク代表とITジャーナリスト佐々木俊尚氏が5時間にも渡って討論したものを「テキスト起こし」したものだ。

 「決闘」の内容や「光の道」の是非に関してはここでは触れない。文藝春秋の特設サイトから、本書のまえがきが読めるようになっているし、当日のUSTのアーカイブにも飛べるようになっているから、そちらをご覧下さい。
 えっ、ぜんぶ観る時間がない? それでもこの「決闘」にご興味があるならば本書を読みましょう。

 現状では残念ながら、音声ファイル・映像ファイルはアーカイブ化されても内容に関して検索する技術は開発されていない。タイトルやタグなどで分類されているのみで、重要なところ、面白い箇所、外せない場所などを「頭だし」出来ない。
 USTやニコ動には、既に議論の集積は膨大な量になっているはずだが、それを追ったり検証したりする際に、「イチから見直す」ことしか方法がない。
 そういった状況では、テキストのアーカイブというのは極めて重要だ。
 本書が出版された意義は、その一点にあると、個人的には思う。

 残念なのは、本書が紙の新書というパッケージで出された、ということ。
 ほんとうはweb上で検索できるような形がユーザーとしてはベストだし、課金するにしてもせめてサーチができるような電子出版サービスの開発をして出して欲しかったなぁ。
 やっぱり、本書で佐々木氏が強調しているような、書籍と人が繋がっていくようなプラットフォームになる場所としての電子出版、という議論にならないのはとても残念だし、本書のようなコンテンツはそのメリットを十二分に享受できたであろうに、なおさら残念だ。
 早く電子書籍からWebサービスにペタペタと引用出来るようなシステムが出来ないかなー。そうすれば、読書体験から、Webでの紹介の仕方、そして本の「キュレーション」、更には「編集」という概念まで、一気に変わるはずだ。

 もっとも、このようなことを書くと、孫氏からは「だから光の道が必要なんです」というお話しになりそうだけど(笑)。

 蛇足だけど、この「決闘」のUST中継を担当した『ケツダンポトフ』のそらの女史の裏話が、『USTREAM”そらの的マニュアル”』に1ページだけ載っていて、それも併せて読むともっと面白い。日本を代表する経営者に「あと三分とか言うな!たいがいにせいっ!」とか言われたらビビるよねぇ…。

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