「世代間格差」が若者に認識されない理由

 昨日はライブドアBLOGOSの対談番組、「世代間格差~若者は犠牲者!? 老人天国ニッポン~」を聴いていた。

 しかし、内容がほとんど床屋政談レベルでちょっと呆れた。出演されていた城繁幸氏・高橋亮平氏・小黒一正氏のご著書『世代間格差ってなんだ』は入手して拝読しようかな、と思っていただけに、その気持ちがくじけちゃいましたよ。

 まぁ、内容はさておき。USTで約600人、ニコニコ生放送で約300人という視聴数というのは、厳しい数字だなぁ、と感じざるを得ないと同時に、「そんなもんだよね」と納得できる数字でもある。
 若者の間でも、彼らの問題にしている「世代間格差」がなかなか認識されないのには、主に2つ理由がある。

 ひとつは、20~30歳台は「世代間格差」の当事者でもあるが、「世代内格差」も相当あるということ。ちょっと古いデータだが、2008年9月のビジネスアスキーの記事によれば、年収で最高額2800万円の人もいれば、200~400万円のワーキングプア層も約20%いる。この調査は正社員のみなので、派遣社員・パート・アルバイトや、私のような零細ライターは含まれていない。実質はもっと差があると考えるべきだ。
 で、城繁幸氏のような本を何冊も出版するような方は当然ながら、世代内でも上辺の収入があるわけで。そういった人がいくら上の世代が「逃げ切れる」ということを強調しても、日々の生活に追われているワーキングプア層には響かない。そこまで、20~30歳台の多くは疲弊している。ついでにいえば、私Parsleyもずーっと仕事が見つからず疲弊している。

 「世代間格差」の問題自体は「年金保険料納付額に対する受給額」ひとつとっても70歳代と30歳代で数千万円の差が出てくるという解かりやすい数字が出ている。池田信夫氏は、放送でしきりに「この問題は難しいんですよ」と述べていたが、「老人が若者を搾取している」という構造は、多くの若年層には、ほとんど皮膚感覚で認識されていることなんじゃないかな、と個人的には感じている。
 では、なぜ「世代間格差」問題がそれほど大きな「声」にならないのかといえば、この問題を声高に唱える識者の方々が、有効な処方箋を提示出来ていないこと、これが大きいのではないかと考える。世代間格差がある、その通り! では、どうすればいいの? 「……」では、一部識者の著書が売れるということ以外に社会的なインパクトは与えられないだろう。
 放送内では「持続可能な社会制度設計」ということがしきりと議題に上がっていたが、「姥捨て山復活!」といった剣呑な方法ではない、もっと実現可能性の高い穏便な解決方法を提示出来ていない、という印象を受ける。
 もっといえば、この問題に関わる方々のほとんどが、「アクティビリスト」ではない、というのも大きいんじゃないのかしら。結局のところ、問題自体を解決するパワーが実際にない、というのでは、それが渦になっていく方向にはならないよね。

 まぁ、「明日のことはわからないから、今日のこと」といった発想に若年層が引きずられるのも無理はないなぁ、というか自分がそうだし。結局国や政治社会のことよりも、自分のこと。少なくとも、こういった放送を見るよりも、サッカーの日韓戦を観て盛り上がる方が正しい。
 
 というわけで、すごーく残念な内容の放送だし、私のような30代木っ端ブロガーの置かれた状況厳しいなぁ、と再認識させられた放送でした。

One Reply to “「世代間格差」が若者に認識されない理由”

  1. 池田さん達の懸念が正しいのであれば、耳を塞ごうが、現実逃避しようがいずれ嫌でも「皮膚感覚で思い知らされる日」が来そうです。
    有効な処方箋なんて無いのかもしれません。しかしそれは池田さん達のせいではなく、取り返しのつかないところまで現実逃避しちゃった日本全体の責任。
    やれる事と言えば覚悟を持って地獄に堕ちる事ぐらいしかできないかもしれませんが・・。まだその方がマシかと。覚悟を持たずに地獄に堕ちると集団パニックになって阿鼻叫喚の地獄絵図になりそう。

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