メディア露出>組織票

 自民51、民主44。与党が過半数割れで、みんなの党が今回得た10+非改選1議席で、党首討論・法案提出権を獲得した。選挙区、特に1人区で自民が圧勝したこと、2人区で全て1議席に留まったことなど、小沢前幹事長が敷いた戦略が裏目に出た影響が大きいように思う。その割に小沢系議員から現執行部の責任を問う声が出てくるあたり、なかなか面白い現象だなぁ、と皮肉っぽく感じざるを得ない。

 しかし、比例では民主が1800万票獲得しており、自民の1400万票にかなり水を開ける結果になっている。民主はまだ連合などの組織票を獲得出来ており、逆に自民は組織がずたずたになっているところが見て取れる。
 面白いのは、自民の獲得票上位5人が女性なこと。片山さつき氏・佐藤ゆかり氏など、昨年の衆院選を落選後もメディアに露出が多かったひとが当選している。
 みんなの党は790万票、公明党が760万票と、前者が僅かに上回った。公明の当選各議員の都道府県別獲得票を見ると、見事に地域でかぶっておらず、一糸乱れぬ統制が取れていることが分かる。逆に、みんなの党は720万票が党への投票。「みんな」というのは書きやすいから、というのは冗談にしても、都市部では民主の半数程の票を獲得している。それほど風もなかった中、「小さな政府」志向の政策が一定の支持を集めたと考えるべきだろう。

 落選議員に目を向けてみると、国民新党の長谷川憲正氏は40万票を得ながら落選した。特定郵便局長ら郵政利権の皆さんが必死なのは『サイゾー』にも記事になっていたが(参照)、いかんせん政党名で48万票しか取れないのでは厳しいところだった。
 あとは、たちあがれ日本から出馬した中畑清氏が11万票、自民党から出た堀内恒夫氏が10万票で、どちらも次点に終わった。巨人ファン・野球ファン票では当選には届かなかった。プロレスラー票は、国民新党から出馬の西村修(全日本プロレス)が3万4千、自民現職の神取忍(LLPW)が3万2千。これくらいが今のコアなファン層の数と重なるのかもしれないね。
 社民党の保坂展人氏は、毎回コミケに足を運び著作権問題などに詳しいことで知られ、一部ネットユーザーからは支持が篤いが、6万9千票で次点。コスプレしたり「ジーク自民」を連呼していたりして話題になった三橋貴明氏は4万2千票に留まった。3年越しの戦略は見通しが甘かったということなんだろう。
 気になるところでは、日本創新党の中田宏前横浜市長が12万票集めている。あえて新党を作らなければ当選出来たかも。自民から民主に鞍替えした田村耕太郎氏は6万票しか取れず落選。あとは、薬害エイズ患者で議員となった家西悟氏が1万8千票しか取れなかったことに時の流れを感じさせた。
 ちなみに、幸福実現党は22万9千票。これが幸福の科学の実力なのだろうか。

 全体的に見て、組織票が昔ほど通用しなくなりつつある、という傾向があるように感じる。むしろ重要なのはメディア露出。テレビの力は勿論だが、ネットの活用など、常に活動をアウトプットしている人が強いのではないか。今回、蓮舫行革相は選挙区に貼り付けなかったにも関わらず170万票集めた。私が『サイゾー』で取材した(参照)藤末健三氏も、良くも悪くも選挙期間中に記事が出たことが大きいとしていた。そのような話題作りをして、名前を認知してもらう努力が、これからの候補に求められているのかもしれない。

 どこの組織にも所属していないParsleyみたいな一般人からしてみれば、組織票がまかり通り、特定権益の代弁者が増えるよりは、多少は健全な議会になる道筋が出来たのではないかと、今回の参院選を肯定的に捉えたいと考える次第。「メディア露出>組織票」という方向が進むことを期待したい。

 

2 Replies to “メディア露出>組織票”

  1. そのとおりだと思います。ご意見に賛成します。
    昨日、12日に、千葉景子さんの落選は云々と、言う意見を載せていますが、それはあなたの傾向と似ています。本日は新党群はなぜだめだったかを書きます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です