退屈な選挙の取るに足らない雑感

 Twitter / Parsley: 投票完了! #tohyo

 そんなわけで、国民の権利を行使して参りました。
 ちなみに、Parsleyは小選挙区は自民党候補者、比例区は自民党、最高裁裁判官国民審査は、那須弘平裁判官、涌井紀夫裁判官に不信任の「×」を記して投票しました。

 しかし、今回の選挙はやけに淡々と進んで、マスコミの報道を横目にして呆然としたまま選挙戦が終わった、というのが正直な感想になる。もっとはっきり言えば、つまらない選挙だったなぁ、と。
 本来は、とても劇的なシチュエーションだったはずなのに。なにしろ、初代自民党総裁・鳩山一郎の孫である鳩山由紀夫民主党代表が、自民党を倒して政権交代の実現に迫る。そして、相手の自民党の首領は、吉田茂の孫の麻生太郎首相。歴史的因縁ありまくり。寡聞にして、私はよく知らないけれど、どっかの誰かかマスメディアは、このあたり煽ったのかな?
 このように、お膳立ては出来ていた。にもかかわらず、少なくとも私が退屈に感じた理由は、何なのだろう?

 思いつく理由は、以下の3点。

 (1) ブログ・ネット界隈での盛り上がりのなさ
 (2) 「祭り」としてのエンターティメンテント性の不足
 (3) 「旧勢力」vs「新興勢力」という戦いの図式にならなかったこと

 (1)に関しては、ネット上(特にTwitter)で選挙期間中に選挙応援とみなされる主旨の発言をすれば全て違法認定という結論が出た、という情報が掣肘になって、結果的にネットユーザーを萎縮させた、ということが大きいように思える。
 さらに、2005年の「郵政選挙」の時の有力な論者の、ほとんどが活動を止めている。「ネット論壇
」が、2007年に続いて(参照)今回も形成されなかった理由の一つに、ハブとなる有力な論者が登場しなかった、ということが挙げられるのではないだろうか。

 「選挙は祭り」ということで、MIAU主催の「インターネットと選挙・政治を考える」シンポジウムのパネラーの一致した見解だった。(拙エントリー参照
 で、あるならば。今回の選挙は祭りとしてのエンタメ性が足りなかった。民主党は「政権交代」を連呼し続けるだけで、他に特別なことはやらなかった。どこに誰が来て何人集まった、という話も聞かなかった。各党の街頭演説を何回か見たが、支持者の集まりを遠巻きにして横目に過ぎる一般人、といった、オールドファッションな図式ばかりだったように思える。
 ネット上での盛り上がりは、麻生首相が「金ないのに結婚するな」発言があったくらい? 自民党が仕掛けたネガティブキャンペーンもそれほど話題にならなかった。これは(1)の要因とリンクする。
 『広報会議』などを読むと、今回の選挙で広報が果たす役割は薄いだろう、という話になっていたが、その予想通りになった。このあたり、個人的につまらないなーと感じた一番の理由かな?

 で、私的には(3)が、非常に憂鬱というかなんというか。
 2005年の選挙は、「郵政改革」という土俵を設定して、徹底した広報・マーケティング戦略で空中戦を仕掛けた(R30様の記事参照)。
 それに対して、今回は自民党田中派直伝の「どぶ板選挙」を、小沢一郎前代表が実践し、大勝利に導いた。(参照
 民主党は、昨年の福田前総理が辞任した頃から、ずっと選挙モードで、街頭に立ち、こまめに集会を開いていた。麻生自民党は、不況を理由に解散を後延ばしにしていたわけだが、結果を見ると民主に利したようだ。
 つまるところ、昔ながらの選挙手法が、今も通用することが証明されたわけだ。
 で、民主党はテレビ広告などではなく、新聞・週刊誌を重視したパブ戦略を取っていた。これも、2004年以前の選挙戦での常套手段。「民主大勝利」が報じられることのバンドワゴン効果も、多少あったのではないか。
 そりゃ、マスコミが「歴史に関与している感慨を覚える」のも無理ないわ。(参照
 自民党は、mixiなどネットに積極的に広告を打ったのに、効果ゼロ。これも(1)の影響が濃い。

 で、一番憂鬱なのが、ネットでの政治の議論と、実際の選挙戦で展開された争点があまりにもかけ離れすぎていること。
 先に挙げたネット選挙の解禁、という部分は勿論だが、社会福祉政策でも、例えばベーシックインカムの導入が可能かどうか、といった議論がなされているにもかかわらず、未だに「安心できる暮らし」といった曖昧な言葉でお茶を濁され続けている。これは自民・民主どちらも変わらない。

 そして、ネットでの論者だったり、若年層の意見だったりは反映されない、という構図も変わらなかった。今回の選挙で、ネット側で出来たことはせいぜい「投票に行こう」と呼びかけることぐらいだった。これじゃあ、何も変わらないよね、と思う。

 こんな繰言を書く間も、民主の票がどんどん伸びていく。やっぱり小選挙区って、オセロのように一気に逆転があるのはスペクタクルだな(笑)。
 ここからは、自民で誰がきのこるのか、公明党がどう動くか、そして、Facebookなんかに広告入れていた幸福実現党の得票数で、エルカンターレのチカラがどんなもんか、計測出来ることに注目したい。

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