「若者を選挙に」ってどれだけ本気なの?

 最近、京浜東北線に乗っていると、ドアの上のビジョンに、「投票全体の20代の占める割合は9%で50代は20%。だから若者の声が政治に届かない。みんな投票に行こう!」といった趣旨の啓発CMがさかんに流されている。たしか、明るい選挙推進協会のものだったと思うが、ちょっとうろ覚え。

 このような、若者の投票率向上の為のプロジェクトって、幾多も行われている。のだけど、一体どこまで本気なんだろう、といつも穿った見方をしてしまう。
 はっきり言って既存の党・労組などの集票機関を維持するためには、既得権益を守るための政策を、少なくともどぶ板レベルでは示さなければならないし、その外側にいる浮動票は少なければ少ない方がいいに決まっている。で、あるならば、森元総理の「寝てもらっている方がいい」というのが、本音ベースでは政財官の共通項なのではないか。
 そんなわけで、総務省や選挙管理委員会レベルでの啓発活動は無駄金使っているんじゃない? …と感じてしまうのが正直なところだったりする。

 では、勝手連的に行われている運動が、信頼に値するかといえば、そうは言い切れなくて。
 『アンカテ』様のエントリーで紹介されていた、「i-vote」に関しても、うーん微妙と思わざるをえなかった。
 この微妙さを、もっと深く掘り下げてみようとすると、運営側のメンバーが、どれだけ継続的に運動にコミットしていく意志があるのか、見えないところにある。今回の選挙まで?大学を卒業するまで?30歳になるまで?
 あえて下種なことを書くならば、就職活動の際の履歴書に書く項目が増える、程度の意識で活動しているメンバーがいても何の不思議もない。まぁ、非難するには当たらないけれどね。行動力を示すというポジティブさが評価されるのは当然のことだから。
 なぜこのようなことを書くかというと、2005年の衆院選でも「マニフェスタ」「投票ラブストーリー」といった若者による選挙啓発サイトがオープンしたが、現在まで継続して活動しているところがない、という事実があるから。(参考
 つまり、選挙がある度に、選挙に行くこと自体を目的にした啓発サイトは何度も立ち上がっているのだけれど、選挙後には活動を停止しているということでは、社会的には意味がないに等しくない? と、いうのがParsleyの意見。

 個人的には、「選挙に行こう!」という掛け声だけではなくて、選挙の争点を強引に決めてしまう、くらいのことはやってしまうべきだと思うんだよね。例えば、「北朝鮮有事の際の先制攻撃に賛成か反対か」といった質問を全議員に送りつけて公開してみせる、とか。
 2005年の選挙がなぜドラスティックだったかといえば、「郵政民営化に賛成か反対か」というシンプルな争点だったから。2007年の投票率が37%だったというが、2005年の時は約46%。この9ポイントの差は「劇場的選挙」だったという要因が間違いなく働いている。
 だから、若者だけでなく、全体の投票率を上げたいのならば、このような分かりやすいアジェンダ設定をすべき。もちろん政党側はそのようなことを百も承知だから、民主党などはしきりに「政権交代」というフレーズを連呼している。
 だが、別に政党側が用意した土俵に乗らなければならないということもない。本気で「若者の投票率を上げる」ならば、何らかの、単純な「争点」を作り出してみせないと現実的にはミッションは達成できないだろう。
 要するに、「選挙に行こう!」というセリフは使い古されすぎて効力はないので、次の一手を打たないと意味ないぜ、と言ってあげるのが、年長者の役割なんじゃないか、と思うわけなんですよ。

 ちなみに、Parsleyは、従来より一貫して「地方分権」と「行政改革」「小さな政府」指向の政策の支持者ですので、そちらに重点を置いている候補を国政に送り出したいと考えています。が、どれも今回の選挙の政策では重きをおかれていないのが残念といえば残念。
 だけど、逆にいえば客観的に選挙の動きとかを観察することは出来るな、とも感じてたりもしてます。Youtubeやニコニコ動画、Twitterなどのネットメディアがどう作用するのか。もしかして、マスメディアがキーになる、最後の選挙になるかもしれないし。いろいろ興味深く、ウォッチしていきたいと考えています。

4 Replies to “「若者を選挙に」ってどれだけ本気なの?”

  1. 政府や政権が本気で若年層の支持が欲しいなら、若年層だけの選挙を導入すれば良い。
    結果をどういう反映をさせるかとかとか色々考えなければならないけど、各世代の主張や選考基準は情緒的でなく、嫌でも全国民に明示されるだろうから。
    20歳未満だけの選挙(まぁこれは世論調査かなw)とか20代だけ選挙とか30代だけ選挙とか。
    世代別の環境・資産状況や人口分布がこれだけ差があると、マイノリティ世代の場合は選挙に行ったというだけで既成事実に翼賛協力したというアリバイを与えるだけだから、後世この時代を顧みた時に若年層の低投票率は他に対抗手段が出てくるまでの消極的抵抗だって理解されると思うよ。

  2. [ライフハック]フェアなルールは存在しつづけられるのか – ルール…

    受験というシステムの中では、偏差値などの指標で人間を序列化します。偏差値は受験システムの中での評価であり、本来もっている人間の能力だったり才能の一部分を評価しているにすぎません。本来、人間の能力の個体差は大きくありません。優劣には受験システム内のルールの

  3. そうなんですよね、
    あの広告って、
    ものすごく自分らこれだけ若者(おまいら)に働きかけているのに
    参画しようとしない若者(おまいら)が一体なんなんだよやる気あんのかよ、
    って方便に使われるだけの中央のプロバガンダにしか思えないんですよ。
    数でそもそも勝てないことが分かっているだけに敢えて貴重な休日を無駄にしないという合理的判断が働いているように思われます。

  4.  >トさま
     仮にそのような調査をした際は、20~30代にもかなりの温度差があるのと、外向きの政策に対する関心が高く内政は諦めているということが浮き彫りになるのでしょうね。おっしゃるとおり、政策の選択肢がないことに対する消極的な抵抗という側面で将来的には分析されることになると私も思います。
     >円蔵さま
     コメントありがとうございます。
     夏休み最後の日曜日、ですからね。投票率の上下による有利不利を与党は当然計算しての日程ですし。だったなら、啓発活動自体がうーん微妙と感じざるをえないのが正直なところです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です